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1070 1000字課題、8/21分、No.119−7「深く重く、そして強く」練習、そして軽い挫折(13200文字)
2004/8/24(火)08:13 - 名無し君2号 - 25767 hit(s)

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No.119−7
題名:深く重く、そして強く「練習、そして軽い挫折」(13200文字)

「草一郎、リズムがズレてる。やり直し」
 凛子の声は、とても冷たく草一郎の耳に届いた。ここがスタジオのなかで、防音材
で囲まれていて、だから残響音のまったくない、色のつかない声だったから――だけ
ではない。
「はい。すんません」
 奥歯を噛みしめる。腕を回そうとして、Yシャツが冷たい汗でぺたりと貼りついて
いることに気づいた。
 スティック同士をうち鳴らし、カレンがカウントを刻んでゆく。
 ワン、ツー、スリー……。
 フォーと来て、もう一発目のワンで一斉に音を鳴らした。こんどは正確さを意識し
て、ベースを弾く。ドスドスと下っ腹に響くバスドラムをアクセントにして、そこだ
けすこし強めに、草一郎は太い弦を震わせた。こうすることで、曲に疾走感が出る―
―。
 荒々しいギターの音が、ぴたりと止んだ。
 弱々しく草一郎のベースも黙りこむ。カレンのドラムも止まった。未練たらしく金
属音を鳴らしているシンバルを、そっとカレンが手で押さえた。
 スタジオのなかが、静まり返る。
「こんどはあわせすぎだ。草一郎、すこしはうねらせろ。やり直し」
「はい、すんません」
 黙ってカレンがスティックを鳴らす。ワン、ツー、スリー……。
 さっきから何度繰り返しているだろう? 凛子のギター、草一郎のベース、カレン
さんのドラムに、ついに桜海里というボーカルが入って、ようやくバンドとしてのか
たちが整った。なのに、肝心のボーカルのところまで演奏がいかない。イントロまで
しかいけない。
「――駄目だ」
 また止まった。
 紺色のブレザーに包まれた怒り肩に、凛子はギターのストラップを食いこませてい
た。赤い三つ編みが揺れ、ギターに据えられていた視線が、草一郎へと移った。
「どぉーしよぉーもないな、草一郎」
 目も口も笑っていない。
 ぐび、と草一郎はつばを呑みこんだ。
「お前、練習やってんのか、ホントに」
「……やってマス」
「やってますねえ……お前のいう練習と、あたしのいう練習は、はたしておなじモン
なのか?」
 草一郎は黙りこむことしかできなかった。視界の隅で、マイクスタンドに手をあて
た海里が、心配そうに見つめているのがわかった。――かえって気が重くなる。
 さらにうつむいて、海里の学生ズボンの黒を、目のなかから消した。
 Tシャツにジーパン姿のカレンを除いて、みな学校の制服姿だった。放課後すぐに、
楽器屋の三階にある貸しスタジオにやってきたからだ。バンドのメンバーが全員揃っ
た翌日、いきなりの行動。鉄は熱いうちにブッ叩け。まったく凛子らしくはあったけ
れど。
「凛子」
 ひんやりと張りつめた空気を、カレンの声がそっとゆるめた。
「うん?」
 気怠そうに振りむいた凛子に、ひとつ、カレンは咳払いする。
「もうそろそろ時間も無くなることだし。細かいミスはとりあえず置いといて、最初
から最後まで通してやってみようよ」
 真っ白い壁に貼りつけられた時計の針は、ちょうど六時を指していた。凛子は時計
からカレンへと顔を戻す。
「ベースにとってリズムの問題は、細かいミスじゃすまないんだけど――ま、カレン
のいうとおりか。海里、お前も黙って見てるだけじゃつまんないだろ」
 薄い色の唇を曲げ、海里は微笑んでいた。
「いいえ。けっこう楽しいですよ」
「余計な気はつかわなくていい」
 まったくだ、と草一郎は心のなかで相づちをうつ。
「ははっ。嘘じゃあないですよ。こういう凛子さんを見ているだけでも楽しいです」
「バカやろう」
 あはは、と海里が笑い声をあげた。思わずといった様子で、カレンも笑いをこぼし
ていた。失敗続きなことよりも、いま一緒に笑えないことが、なんだか草一郎には哀
しい。
「じゃ、やるか。ということだから草一郎。テキトーでいいぞ。仕方ないから許す」
 はい、とは返事できなかった。
 カン、カン、カン、と甲高い音が聞こえた。ああ、カレンさんがドラムスティック
を鳴らしているのか。じゃあ、これはカウントだ。
 ――カウント?
 気づいたときにはすでに演奏が始まっていた。
 あわてて音を重ねる。もちろんずれた。追いつこうとテンポを速めたら、さらにず
れた。
 でも、演奏は止まらなかった。
 なにごともなかったかのように前奏が終わろうとしている。すぅ、と海里が息を吸
いこむ音が、マイクからスピーカーごしで、草一郎の耳に届いた。
 いままで一音たりとも発声していなかったのに、海里は完璧に入ってきた。すくな
くとも草一郎がわかるほどのズレはまったくなかった。
 音程も完璧だった。
 先に凛子から楽譜は渡されていた。それをぱらぱらと見て、MDのデモ音源――草
一郎も聴いたが、凛子がピアノの伴奏にあわせて鼻歌を歌っているだけのもの――を
聴いて、ただそれだけで、海里はすべてを完璧にこなしていた。
 そして、そんなことはどうでもいいと思わせるほどに――心を揺さぶる声だった。
 Aメロに続いて、Bメロに入る。曲調が変わった。
 透きとおるような声ではけっしてない。どこかもの哀しい、すこし湿り気を帯びた
声だった。まだ歌詞は決まってなくて、だから海里は適当な嘘英語を並べている。
 なのになんだってこうもざらりと心に触れてくるのか。
 決して大きな声じゃないのに、しっかり耳に届いているのもおかしい。カレンのバ
カでかいドラムに、凛子の図太いギター、もちろん草一郎だって負けないほどの低音
で、地の底を這いずりまわらせている。ほとんど暴力的といってもいいほどの音圧な
はずだ。
 なのに届く。耳をとおり抜け、直接心にまで「意志」を染みさせてくる。
 ――なんなんだよ、ホントに。
 天才とか才能とか、努力じゃ越えられない壁とか、いろんなことを考えつつ、けっ
きょくのところ、草一郎は興奮していた。
 気づいたら、指がなめらかに動いていた。思うとおりに音が出せていた。しっかり
とバンドの音を支えていた。
 サビを弾き終えて、うっとりとした心地よさのなかで、気づいた。
 これはぜんぶ、海里の歌の力だということに。



 最後まで暴れまわっていた凛子のギターが、最後の遠吠えを終えた。余韻はスタジ
オの防音材にあっさりと吸いこまれて、消えた。
 はぁ……と草一郎は詰めていた息をはきだした。
 ベースから手をはずし、だらりとさげる。たった一曲なのにすごく消耗していた。
でも体を流れる汗は、さらりと心地のよいものだった。
「ふん」
 まんざらでもなさそうに、凛子も笑みを浮かべていた。薄く汗ばんだ顔を、草一郎
に向けてくる。
「やればできるじゃないか」
 最初、なんのことを言われているのかわからなかった。
 笑顔を見て、ようやく褒められているらしいと気づいた。鋭い八重歯を、なんとも
ひさしぶりに見たような気がする。
「いや、でも」
 口ごもる。今回ばかりは、自分の実力じゃあ、ない。
 そっと様子をうかがってみると、海里はYシャツのボタンを半ばまで開けて、ぱた
ぱたと手であおいでいた。
 こちらに気づき、満面の笑顔を向けてくる。
 力無く、草一郎も笑顔を返す。さらに海里は頬のはじをあげた。笑顔が強まる。ま
ぶしすぎて見ていられなかった。
「きっかけはどうあれ」
 ハッと凛子の顔を見つめた。――自分の力じゃないって、バレている?
「やればできたんだ。だったらハナっからやれよ。できるくせにやらないから、こっ
ちはイラつきが止まらないんだ」
「……はい」
「あたしはできないことはやらせない。いいかげんに信じてもいいんじゃないのか?」
「し、信じてマスよ」
「嘘ついても無駄だぞ。顔も音も信じてなかったじゃんか。草一郎はわかりやすすぎ、
ぜんぶバレバレなんだから」
 なんとも言葉が痛くて、草一郎はぎゅっと目を細めた。
 暗くなった視界のなかで、凛子がぐるりと首を回し、時計を見つめる。
「片づけ考えたら、あともう一曲できるかな? カレン」
 ドラムセットに座っているカレンがうなずいた。ドレッドヘアを揺らして、スティ
ックを振りあげた。
 カウント、ワン、ツー、スリー……。
 草一郎はベースを震わした。もうだれも、なにも言わなかった。もちろん演奏は止
まらない。



 はああああ。
 スタジオの通路にあるソファーに腰をおろしたとたん、草一郎は思わずため息をつ
いてしまっていた。ぼろぼろで、ところどころ空いた穴から中身のウレタンを覗かせ
ているソファーに座ったからじゃあ、ないだろう。
 うなだれているのが、なんとも快感だった。体を起こしたくない。
「なーにだれてんだ。まだ若いくせに」
 甘い、でも奥の尖った匂いがした。独特の香水の匂い。
 顔を起こすと、カレンの顔があった。厚めの唇を笑顔に曲げて、赤い缶を差しだし
てくる。
「コーラで良かったっけ」
「あ、すんません」
 素直に草一郎は受けとる。プルを引いて、小気味のいい音を聞いた。一気に中身を
喉に流しこむ。冷たく刺激的な液体が滑り落ちていった。五臓六腑に染み渡る、とい
うのを草一郎は実感した。
 ふふ、と微笑みながら、カレンがとなりに座る。どさ、と重量感ある音がして、ソ
ファーがきしんだ。缶を開ける。
「――で、どーした。ヘコんでるみたいだけどさ」
 草一郎はそっとまわりをうかがう。
 ライブ告知やメンバー募集などのポスターがべたべた貼られた通路に、人の姿はな
かった。凛子と海里は、いまカウンターで会計をすませているはずだ。
 両手のなかにある缶に、目を落とす。
「やっぱりヘコみますよ。カレンさんや凛子さん、海里だって、みんな凄い人ばかり
で、なんかおれが足を引っ張っているみたいで」
「みたいというか、足を引っ張っていたのは確かだけど」
 びくん、と草一郎は体を震えさせた。
「でも後半は見違えるくらい良くなったし。そんなに落ちこむほどでもないって」
「……なぐさめになんないっス」
 あはは、とカレンは笑った。あまりにあっけらかんとした明るい声だったので、草
一郎の口元にも笑みが浮かんでしまう。
「ところで、スタジオ代は大丈夫なのか?」
 え? と草一郎が見つめると、カレンは缶ジュースから口をはずした。
「いやさ、凛子ん家は金持ちだし、あの海里って子も、高そうな時計してるとこみる
と不自由はしてなさそうだけど、草一郎はどうなのかなって。少ないお小遣いをやり
くりしているんじゃないかって思ってさ」
 痛いところをつかれた。凛子は持っている楽器を見ればその裕福さは推して知るべ
しだし、海里もなにやらきらきら光る高そうな時計をしていた。草一郎の持っている
時計といえば、親戚から貰った安っちいデジタル時計ぐらいである。
「図星っス。スタジオ代もワリカンですけど、やっぱり一回で千円ぐらいかかっちゃ
うし。弾けば弾くほど、ピックは削れるし、弦は張りがなくなるし。またベースの弦
は高いし……」
 安いベースの弦でも、CDアルバム一枚買えてしまう。ピックだって一枚百円だ。
昔だって苦しいことは苦しかったが、いまはなんといっても練習量がぜんぜん違う。
当然、消耗する度合いが違う。ベースの弦は、ギターと違って切れたりはしないから、
その気になれば弾き続けることができるのだが、まわりのメンバーの耳も違う。張り
のなくなった死んだ音のする弦じゃあ、とてもじゃないが一緒に演奏はできなかった。
「困ってるなら、あたしのバイトでも紹介しようかなって思ってさ」
「バイト? そりゃ、ぜひお願いしたいですけど、あの、どんな仕事なんスか」
「なんだと思う」
 カレンの姿をじっと見つめた。
 ドレッドヘア、褐色の肌、鳶色の瞳。ここだけ見るとかたちが整いすぎていて、こ
んなに気安くは話せなかったかもしれない。それを救っているのが厚ぼったい唇で、
笑顔のかたちに曲がると、なんともホッとする雰囲気を醸しだしてくれていた。
 体にぴったりとしているせいで、胸に突き破られそうなTシャツに、ぎこちなく視
線をはずした。
 おやおや、とカレンが呟いた。
「まだ慣れないの? 毎回見てるだろーに」
 ぐい、とカレンが突きだしたのが視界の端に見えた。
「いや、その……もうちょっと、大きめの服を着るとかしてもらうと」
「そうしてあげたいけどさ、ほら、胸がでかいと、こう、服のラインが膨らむのよ」
 カレンが胸の頂点から、垂直に手をおろした。お腹からはだいぶ離れた位置をとお
っていた。
「そうするとさ、太っているように見えるわけ。引き締まってるのにお腹が出ている
ように思われるのは、ちょーっと我慢できないな。だからどうしてもぴちぴちになっ
ちゃう」
 なるほどと草一郎は思った。ばいんばいんな人には、ばいんばいんなりの悩みがあ
るわけだ。ぺたんぺたんな凛子には、まったく関係ない悩みである。いや、ぺたんぺ
たんにはぺたんぺたんなりの悩みがあるのか?
「で、わかったの、クイズの答え」
「あ、はい……コンビニ……はないっスよね。うーん、服屋とか……楽器屋とか、で
すか」
「ハ、ズ、レ」
 むん、とカレンが腕を見せつけた。褐色の肌にぴしぴしと筋がうかび、なんとも立
派な力こぶができあがる。目を見開く草一郎に、楽しげな笑いをこぼした。
「運送会社の仕分け。重い小包を、地域ごとに分けるお仕事。重労働だから金になる
よ。おまけに体も鍛えられる。一石二鳥。どう、草一郎も」
 ぶんぶんぶん、と首を横に振った。
「おれには無理っス」
 ベースを肩に数時間かついでいるだけでも痛みだすのだ。この若さで、最近肩こり
になりつつもあった。
「ライブには体力がいるよ。わかっただろ、今日の練習で。本気で入りこめば、それ
だけ力は奪われてゆくよ」
「そう……ですね」
 足りないものばっかりだ、と草一郎はため息をついた。凛子もカレンも海里も、今
回の演奏を終えてもまったく平気だった。音楽的体力ってやつなんだろうか。
「あの、カレンさんの体、凄いですけど」
「まあスタイルには自信があるな」
「そ、そうじゃなくて……いや、たしかにナイスバディーっスけど、あの、筋肉のほ
うです。おれなんかよりぜんぜん逞しいっス。やっぱり、ドラムを叩くために鍛えた
んですか」
「まあ……最初はね」
 めずらしく言いよどんだ。
 カレンの横顔は、じっと遠くを見つめていた。視線の向こうは、ポスターのべたべ
た貼られた壁である。なにかを思いだそうとしているようにも見えた。
「ドラムってそれほど力がいるわけじゃないんだ。きちんとした場所をきちんとした
フォームで叩けば、ちゃんとキレがあって重い音が出るんだよ。もちろん最低限の筋
力はいるけど、あたしほどには、ね」
「じゃあ」
「草一郎はさ、どうしてギターを始めた?」
 ころりと話題が変わる。しかしカレンは口元にこそ笑みを浮かべていたが、瞳は真
剣そのものだった。
「おれは……ポスターなんですよね。もうだれのだったか覚えてないんですけど、ギ
ターを、こうカッコよく構えているのを小学生んときに見て、それで夢中になっちゃ
って。イトコのお兄ちゃんからもう弾かなくなったギター貰って……まさか、いまベ
ーシストになっているとは思いませんでしたけど」
 うふふ……とカレンが微笑む。
「あたしはね……ドラムしかなかったんだ」
 じっとカレンを見つめる。
「ほら、あたしはさ、お爺ちゃんがアメリカ人なんだよね。ジャズドラマーだったん
だ。だから、四分の一は黒人の血を受け継いでいるってわけ。最初はアメリカで暮ら
してたんだけどさ、親の都合でこっちにやってきて……やっぱさ、日本って、目立つ
やつには厳しいでしょ。あたしなんかほら、こうだから」
 カレンは笑う。草一郎は笑えなかった。
「イジメられたんスか」
 首を振った。
「それならまだよかったかな。近づいてもこなかった。日本語もまだうまくなかった
し、友達はいないし、ずっとひとりぼっちでね。そんな女の子の遊び場が、お爺ちゃ
んのドラムセットだったってわけなのよ。爺ちゃん、丁寧に教えてくれてね……いま
はこんな滅茶苦茶なドラマーになっちゃったけどさ。昔のほうが絶対、基本に忠実だ
ったね」
 こんどは草一郎も笑った。そのほうがいいと思ったからだ。
「――宗教だったんだ」
 ほとんど呟きだった。
「ドラムは、ロックは、あたしにとって神さまだったんだ。ひとりぼっちの淋しさか
ら逃げこむために、あたしはドラムを叩いてきたんだ。ビートを刻んでいるとき、あ
たしは祈っていたんだ。ここからお救いくださいますように、って」
 草一郎の視線に気づいた。
「そんな顔すんなよ、草一郎。ま、そうして天にますますドラムさまの洗礼を受けた
カレン・キャンベル・早乙女お嬢ちゃんは、やっぱりお子さまだから、腕力が足りな
いわけよ。爺ちゃんみたいにキレのいい音がでなくてね……だから鍛えた。そこが始
まりだね」
「へえ……」
「そうしたら、背は伸びるしスタイルはよくなるし。高校に入ったら、こんどは逆に
モテちゃったのよ。エキゾチックとかなんとかで、まったく勝手なもんだ」
 よかったっスね、と言っていいのかどうか、草一郎には判断がつかなかった。
「うらやましいなんて、言うなよ草一郎。だってさ……」
 声が落ちる。カレンが身をぐっと寄せてきた。
「――そこは女子校だったんだから」
 引きこまれて、思わず体を前のめりにしていた草一郎は、最初なんのことやらわか
らず、目をぱちくりとさせていた。
 ゆるゆると意味が染み入ってくる。
 頬がぴくぴくと反応した。――だ、駄目だ。
 思いっきり草一郎は吹きだした。がくがくと体を動かしながら笑う。
 カレンも一緒になって笑いながら、目尻に涙をうかばせていた。
「この体だしさ、お姉さま、お姉さまって。段ボールひと箱もチョコ、貰ったりした
んだよ」
 遠慮のない笑い声を、通路中に響かせた。
 ひとしきり笑って、横っ腹をさする。痛かった。心地よい痛みといってよかった。
「あ、ありがとうございます、カレンさん」
「ん?」
 まだカレンは笑いをこぼしていた。ときおり体をぴくん、と跳ねあげている。
「おかげで、元気でました」
「そっか」
 うん、そうか、とカレンが背を反らす。
「でもね、草一郎」
 真正面から見つめられた。
「はい」
「あたしは、凛子のやり方が間違っているとは思わない。練習でできないことが、本
番でできるわけもないし。それは正しいと思う。だからこそ、どこまでも追いこんで
ゆくんだ。だからこそ、見える世界があるんだ」
 深々と草一郎はうなずいた。
「凛子もあたしとおなじ。ロックという宗教にハマっている。あの海里って子も、た
ぶんおなじだ。そういうのは、なんとなくだけど、わかる。だから……普通じゃない」
「おれは……」
 カレンは満面の笑みをうかべた。手を振りあげる。
 強い衝撃が草一郎の背中に走った。思いっきりブッ叩かれていた。
「あんまり深く考えるなよ。頭よりも体で行動するのが、草一郎のいいところだろ」
 さてと、とカレンが立ちあがった。
「あの」
「ちょっとお花つみにいってくる」
「花……?」
「トイレってことだよ。なんだか、こういうときにジュネレーションギャップを感じ
るよねえ」
 笑いながらカレンが歩いていった。
 思わず草一郎は立ちあがる。深く頭をさげた。
「ありがとう、ございました」
 ひらひらと手を振りながら、カレンは奥の角に消えた。



 角を曲がったとたん、カレンは鼻歌を止めた。
 立ち止まり、横目で見る。
 制服姿の少女が、角の壁に背をもたらせ、立っていた。赤い髪の頭をあげると、口
元には笑みが浮かんでいた。
「――凛子」
 小声だった。角を曲がったすぐそこには、草一郎がソファーに座っている。
「盗み聞きは趣味がよくないと思うけどね」
「そういうつもりじゃなかったんだけど」
 ぽつりと凛子は洩らした。
 カレンは通路奥のトイレに向かって歩きだす。凛子もそれに並んだ。
「余計なことをしちゃったか」
「いや」
 首を凛子は横に振る。
「あたしにはできないことだから。感謝してる」
 ため息はカレンから洩れた。
「焦りすぎるなよ、凛子」
 無言の凛子にかまわず、カレンは続ける。
「草一郎とはあたしたちとは違うんだ。たとえ、凛子のいうとおり――才能があると
しても、壊れてしまうよ」
「わかってる」
 凛子は目をふせた。
「でも、我慢できないんだ」
「凛子」
「できるはずなんだ。草一郎なら、もっともっと高い場所へ、遠い場所へ、あたした
ちを連れていってくれるはずなんだ」
「凛子」
 強いカレンの口調だった。凛子はぷいと横を向く。ちょうどトイレの前だった。
「うん。我慢するよ――できるだけ」

時間:14時間

読んで欲しいもの()は読んでの読者感想、→は作者判断:
・落ちこみまくる草一郎(どきどき)→そこそこ
・凄腕なまわりのメンバーたち(おおう)→そこそこ
・新ボーカル、海里の才能(おおう)→ぼちぼち
・凛子のプレッシャーのかけっぷり(うわあお)→そこそこ
・カレンの優しさ(うふふ)→成功

メモ
■一行あらすじ
 貸しスタジオにて練習するが、まわりのレベルの高さに圧倒され、凛子にも叱責さ
れて落ちこむも、まわりにも慰められて、どうにか立ち直る草一郎の話。

■プロット
・貸しスタジオで練習中。レベルの高さに、草一郎は焦り、ミスする。凛子に説教さ
  れ、さらに焦り、失敗を繰り返す。また怒られる。

・いったん休憩に入る。自己嫌悪に、草一郎は激しく落ちこむ。

・ドラマーのカレンに、自身の思い出話を絡めつつ、慰められる。草一郎はやる気を
  回復させる。

■起承転結
起:スタジオにて練習。
承:まわりのレベルの高さに焦る。
転:休憩中、落ちこむ。
結:慰められ、どうにか立ち直る。


〔ツリー構成〕

【550】 1000字課題根っこ 2003/8/22(金)05:10 名無し君2号 (181)
┣【551】 1000字課題、8/21分 2003/8/22(金)05:14 名無し君2号 (1450)
┣【554】 1000字課題、8/22分 2003/8/23(土)03:59 名無し君2号 (3066)
┣【555】 1000字課題、8/23分 2003/8/24(日)03:47 名無し君2号 (2905)
┣【556】 1000字課題、8/24分、bU 2003/8/25(月)02:26 名無し君2号 (1584)
┣【558】 新木 伸、昔のやつ 2003/8/25(月)09:25 新木 伸 (8809)
┣【559】 1000字課題、8/25分、No7,8 2003/8/26(火)03:28 名無し君2号 (2860)
┣【561】 1000字課題、8/26分、No,9 2003/8/27(水)05:29 名無し君2号 (1319)
┣【567】 1000字課題、8/27分、No,10 2003/8/28(木)05:11 名無し君2号 (1539)
┣【570】 No.10 新木リライト版 2003/8/29(金)08:39 新木 伸 (1649)
┣【590】 細江、リライト版 2003/9/4(木)15:28 新木 伸 (1797)
┣【568】 1000字課題、8/28、No,11 2003/8/29(金)01:49 名無し君2号 (1723)
┣【574】 1000字課題、8/29分、No,12〜15 2003/8/30(土)13:34 名無し君2号 (6774)
┣【575】 1000字課題、8/30分、No,16 2003/8/31(日)04:28 名無し君2号 (1352)
┣【576】 1000字課題、8/31分、No,17〜19 2003/9/1(月)04:34 名無し君2号 (3700)
┣【577】 OFF会での成果 2003/9/1(月)21:37 新木 伸 (215)
┣【578】 新木、「馴染みのコーヒーショップ」 2003/9/1(月)21:38 新木 伸 (3139)
┣【579】 巻島、「富士山と男の子」 2003/9/1(月)21:39 新木 伸 (3203)
┣【580】 望乃、「低気圧ガール」 2003/9/1(月)21:40 新木 伸 (5480)
┣【583】 弟切、「科学者と孫娘」 2003/9/2(火)21:52 弟切 千隼 (3554)
┣【587】 弟切、「科学者と孫娘」リライト 2003/9/3(水)23:43 弟切 千隼 (1392)
┣【612】 弟切、「科学者と孫娘」書き直し「交流」版 2003/9/25(木)00:21 弟切 千隼 (2221)
┣【615】 弟切、「科学者と孫娘」書き直し「交流」版その二 2003/9/27(土)00:50 弟切 千隼 (2213)
┣【588】 紫ゆきや「ポチとお嬢様」 2003/9/4(木)02:34 紫ゆきや (2134)
┣【582】 1000字課題根っこ、9/1分、No,20〜22 2003/9/2(火)05:00 名無し君2号 (3821)
┣【586】 1000字課題、9/2分、No,23 2003/9/3(水)04:48 名無し君2号 (1155)
┣【589】 1000字課題、9/3分、No,24 2003/9/4(木)11:58 名無し君2号 (1626)
┣【591】 1000字課題、9/4分、No,25 2003/9/6(土)06:34 名無し君2号 (1586)
┣【592】 1000字課題、9/5分、No,26 2003/9/6(土)06:37 名無し君2号 (1105)
┣【594】 1000字課題、9/6,No,27 2003/9/7(日)12:03 名無し君2号 (1683)
┣【595】 1000字課題、9/7分、No,28 2003/9/8(月)13:36 名無し君2号 (1482)
┣【597】 1000字課題、9/8分、No,29,30 2003/9/9(火)11:27 名無し君2号 (3080)
┣【598】 1000字課題、9/9分、No,31 2003/9/10(水)05:52 名無し君2号 (1803)
┣【599】 1000字課題、9/10分、No.32 2003/9/11(木)09:15 名無し君2号 (1674)
┣【600】 1000字課題、9/11分、No,33 2003/9/12(金)08:06 名無し君2号 (2332)
┣【604】 1000字課題、9/11分、No,33のやりなおし版 2003/9/18(木)13:00 名無し君2号 (1797)
┣【601】 1000字課題、9/15分、No,34〜36 2003/9/15(月)18:57 名無し君2号 (4112)
┣【602】 1000字課題、9/16分、No,37 2003/9/17(水)17:11 名無し君2号 (1450)
┣【603】 1000字課題、9/17分、No,38 2003/9/18(木)12:56 名無し君2号 (1237)
┣【605】 1000字課題根っこ、9/18分、No.39 2003/9/19(金)17:19 名無し君2号 (1238)
┣【606】 関節技 2003/9/19(金)17:23 名無し君2号 (2826)
┣【607】 1000字課題、9/19分、No.40 2003/9/20(土)15:09 名無し君2号 (1409)
┣【608】 1000字課題、9/21分、No.41 2003/9/22(月)03:50 名無し君2号 (1485)
┣【613】 吸血母さん、リライト(その1) 2003/9/26(金)02:56 魚住 雅則 (1601)
┣【624】 re(1):吸血母さん、リライト(新木版) 2003/9/30(火)22:53 新木 伸 (1636)
┣【623】 1000字課題、9/21分、No.41、やりなおしの1 2003/9/30(火)06:47 名無し君2号 (5059)
┣【628】 1000字課題、9/21分、No.41、やりなおしの2 2003/10/2(木)06:09 名無し君2号 (11568)
┣【609】 1000字課題、9/23分、No.42 2003/9/24(水)03:34 名無し君2号 (1175)
┣【614】 1000字課題、9/25分、No.43 2003/9/26(金)03:37 名無し君2号 (1646)
┣【616】 1000字課題、9/26分、No.44 2003/9/27(土)06:28 名無し君2号 (1804)
┣【619】 1000字課題、9/27分、No.45〜46 2003/9/28(日)05:57 名無し君2号 (2874)
┣【620】 1000字課題、9/28分、No.47 2003/9/29(月)07:23 名無し君2号 (1676)
┣【622】 1000字課題、9/29分、No.48 2003/9/30(火)06:44 名無し君2号 (1726)
┣【629】 1000字課題、No.48「科学者と孫娘」のやりなおしの1 2003/10/3(金)06:12 名無し君2号 (1862)
┣【640】 10/5分、No.48「科学者と孫娘」、やりなおしの2 2003/10/6(月)10:09 名無し君2号 (3439)
┣【649】 10/10分、No.48「科学者と孫娘」、やりなおしの3 2003/10/11(土)14:06 名無し君2号 (1495)
┣【659】 10/13分、No.48「科学者と孫娘」やりなおしの4 2003/10/14(火)14:05 名無し君2号 (1629)
┣【625】 1000字課題、9/30分、No.49「ポチとお嬢様」 2003/10/1(水)04:26 名無し君2号 (1705)
┣【627】 1000字課題、10/1分、No.50「盗賊」 2003/10/2(木)05:43 名無し君2号 (1618)
┣【630】 1000字課題、10/2分、No.51「いくじなし」 2003/10/3(金)06:15 名無し君2号 (1638)
┣【639】 10/5分、No.51「いくじなし」、やりなおしの1 2003/10/6(月)10:06 名無し君2号 (1649)
┣【642】 リライト新木版 2003/10/7(火)09:49 新木 伸 (1750)
┣【635】 1000字課題、10/3分、No.52「カフェ・ノワール」 2003/10/4(土)07:56 名無し君2号 (1642)
┣【641】 1000字課題、弟切、「穴」 2003/10/7(火)00:52 弟切 千隼 (1871)
┣【653】 1000字課題、弟切、「穴」書き直し 2003/10/12(日)23:16 弟切 千隼 (4034)
┣【654】 re(1):1000字課題、弟切、「穴」書き直し、(人称替えバージョン) 2003/10/13(月)03:51 新木 伸 (4082)
┣【661】 1000字課題、弟切、「穴」書き直し、削り&三人称版 2003/10/15(水)01:35 弟切 千隼 (3051)
┣【667】 1000字課題、弟切、「穴」書き直し、痛み感と挫折感増強 2003/10/23(木)15:11 弟切 千隼 (3629)
┣【643】 1000字課題、10/9分、No.53〜56の根っこ 2003/10/9(木)14:20 名無し君2号 (58)
┣【644】 1000字課題、10/9分、No.53「おいかけっこ」 2003/10/9(木)18:28 名無し君2号 (1847)
┣【645】 1000字課題、10/9分、No.54「きょうの占い」 2003/10/9(木)18:31 名無し君2号 (2206)
┣【646】 1000字課題、10/9分、No.55 2003/10/9(木)18:32 名無し君2号 (1882)
┣【647】 1000字課題、10/9分、No.56「真夏の果実」 2003/10/9(木)18:34 名無し君2号 (1554)
┣【648】 1000字課題、10/10分、No.57「邪眼」 2003/10/11(土)14:02 名無し君2号 (1744)
┣【655】 1000字課題、10/12分、No.58「修学旅行の夜」(1000字) 2003/10/13(月)12:58 名無し君2号 (1305)
┣【658】 1000字課題、10/13分、No.59「シンデレラvsピーターパン」(1000文字) 2003/10/14(火)14:03 名無し君2号 (1671)
┣【662】 1000字課題、10/16分、No.60「話し合い」(2000文字) 2003/10/17(金)13:24 名無し君2号 (4041)
┣【665】 1000字課題、10/18分、No.61「井戸端会議」(1000文字) 2003/10/19(日)04:53 名無し君2号 (5566)
┣【666】 1000字課題、10/19分、No.62「いいじゃないか」(1000文字) 2003/10/20(月)08:48 名無し君2号 (1184)
┣【668】 1000字課題、10/23分、No.63「見張り塔からずっと」(2000文字) 2003/10/24(金)03:29 名無し君2号 (2508)
┣【669】 1000字課題、10/23分、No.64「決して死ぬなとあなたは言った」(1000文字) 2003/10/24(金)03:32 名無し君2号 (1629)
┣【670】 削除
┣【671】 1000字課題、10/23分、No.65「メイド」(1000文字) 2003/10/24(金)03:37 名無し君2号 (1670)
┣【672】 1000字課題、弟切、「メイド」 2003/10/24(金)22:59 弟切 千隼 (1925)
┣【679】 1000字課題、弟切、「メイド」書き直し 2003/11/1(土)01:29 弟切 千隼 (2558)
┣【684】 1000字課題、弟切、「メイド」地の文書き直し 2003/11/3(月)20:20 弟切 千隼 (2501)
┣【708】 1000字課題、弟切、「メイド」、全面書き直し 2003/12/6(土)23:00 弟切 千隼 (2278)
┣【711】 1000字課題、弟切、「メイド」、甘夏リライト 2003/12/11(木)04:02 甘夏 (2760)
┣【714】 1000字課題、藤極堂、「メイド」、リライト 2003/12/12(金)21:48 藤極堂 (2045)
┣【726】 1000字課題、弟切、「メイド」、全面書き直しその二 2003/12/29(月)00:39 弟切 千隼 (2084)
┣【738】 1000字課題、弟切、「メイド」冒頭のみ書き直し 2004/1/14(水)00:06 弟切 千隼 (795)
┣【739】 1000字課題、弟切、「メイド」書き直し、説明文版 2004/1/14(水)00:10 弟切 千隼 (308)
┣【740】 1000字課題、弟切、「メイド」書き直し、描写文版 2004/1/14(水)00:12 弟切 千隼 (468)
┣【743】 1000字課題、弟切、「メイド」書き直し、描写文版その二 2004/1/17(土)01:52 弟切 千隼 (404)
┣【750】 1000字課題、弟切、「メイド」書き直し、描写文版その三 2004/1/19(月)23:27 弟切 千隼 (450)
┣【753】 1000字課題、弟切、「メイド」書き直し、描写文版その四 2004/1/23(金)22:05 弟切 千隼 (479)
┣【674】 1000字課題、10/27分、No.66「そろそろと足踏み」(2000文字) 2003/10/27(月)16:14 名無し君2号 (2733)
┣【675】 1000字課題、10/28分、No.67「星をみるひと」(1000文字) 2003/10/28(火)19:17 名無し君2号 (888)
┣【676】 1000字課題、10/29分、No.68「ボスしけてるぜ」(1000文字) 2003/10/30(木)06:28 名無し君2号 (1623)
┣【678】 1000字課題、10/30分、No.69「なんでこんなことに」(1000文字) 2003/10/31(金)08:07 名無し君2号 (1684)
┣【680】 1000字課題、10/31分、No.70「トランジスタ・ラジオ」(1000文字) 2003/11/1(土)10:50 名無し君2号 (1556)
┣【681】 1000字課題、11/1分、No.71「真夜中のエンジェル・ベイビー」(1000文字) 2003/11/2(日)08:05 名無し君2号 (1690)
┣【683】 1000字課題、11/2分、No.72「君が僕を知っている」(1000文字) 2003/11/3(月)09:47 名無し君2号 (1250)
┣【685】 1000字課題、11/3分、No.73「二時間三十五分」(1000文字) 2003/11/4(火)12:12 名無し君2号 (988)
┣【687】 1000字課題、11/4分、No.74「なかよくケンカしな」(1000文字) 2003/11/5(水)11:54 名無し君2号 (1529)
┣【688】 1000字課題、11/5分、No.75「十五年後」(2000文字) 2003/11/6(木)09:31 名無し君2号 (3105)
┣【689】 1000字課題、11/6分、No.76「耳たぶをくにくに」(2000文字) 2003/11/7(金)08:26 名無し君2号 (3149)
┣【690】 11/8分、No.76「耳たぶをくにくに」やりなおしの1(1000文字) 2003/11/9(日)06:52 名無し君2号 (1482)
┣【692】 No.76「耳たぶをくにくに」、新木リライト版 2003/11/10(月)01:47 新木 伸 (2385)
┣【693】 1000字課題、11/9分、No.77「愛と青春のルサンチマン」(1000文字) 2003/11/10(月)08:19 名無し君2号 (1664)
┣【694】 1000字課題、11/11分、No.78「魔王の憂鬱」(1000文字) 2003/11/12(水)11:38 名無し君2号 (1675)
┣【695】 1000字課題、11/12分、No.79「酔いどれ天使」(1000文字) 2003/11/12(水)11:40 名無し君2号 (1729)
┣【696】 1000字課題、11/14分、No,80「錆びたピストル」(2000文字) 2003/11/16(日)12:16 名無し君2号 (3307)
┣【697】 1000字課題、11/15分、No.81「幸福論」(1000文字) 2003/11/16(日)12:17 名無し君2号 (1742)
┣【698】 1000字課題、11/18分、No.82「ごくらく巫女ひき計画」(1000文字) 2003/11/18(火)15:47 名無し君2号 (1737)
┣【699】 1000字課題、11/20分、No.83「畏れるばかりで」(1000文字) 2003/11/20(木)16:12 名無し君2号 (1673)
┣【700】 1000字課題、11/23分、No.84「かたむく天秤、おとこのこ編」(2000文字) 2003/11/24(月)03:28 名無し君2号 (3422)
┣【701】 1000字課題、11/23分、No.85「かたむく天秤、おんなのこ編」(2000文字) 2003/11/24(月)03:33 名無し君2号 (2967)
┣【702】 1000字課題、11/23分、No.86「かたむく天秤、ふたり編」(1000文字) 2003/11/24(月)03:35 名無し君2号 (1574)
┣【703】 1000字課題、11/28分、No.87「いしやきいも」(1000文字) 2003/11/29(土)04:37 名無し君2号 (1782)
┣【704】 1000字課題、11/28分、No.88「離魂病」(1200文字) 2003/11/29(土)04:42 名無し君2号 (1963)
┣【705】 1000字課題、11/30分、No.89「ばらばら」(1400文字) 2003/12/1(月)06:50 名無し君2号 (2377)
┣【706】 1000字課題、12/1分、No.90「紅く塗りつぶせ」(1200文字) 2003/12/2(火)10:28 名無し君2号 (2048)
┣【707】 1000字課題、12/3分、No.91「静寂」(2000文字) 2003/12/4(木)10:27 名無し君2号 (3048)
┣【709】 1000字課題、12/6分、No.92「アルバム」(1400文字) 2003/12/7(日)07:39 名無し君2号 (2317)
┣【715】 1000字課題、12/13分、No.93「矢」(1500文字) 2003/12/13(土)08:26 名無し君2号 (2283)
┣【716】 1000字課題、12/15分、No.94「散華」(1200文字) 2003/12/15(月)11:21 名無し君2号 (2019)
┣【717】 1000字課題、12/18分、No.95「星空」(1600文字) 2003/12/18(木)11:37 名無し君2号 (2564)
┣【720】 1000字課題、12/23分、No.96「姉弟喧嘩」(2000文字) 2003/12/23(火)06:01 名無し君2号 (2685)
┣【721】 No.96「姉弟喧嘩」 新木部分リライト 2003/12/23(火)20:39 新木 伸 (1170)
┣【722】 1000字課題、12/25分、No.97「眼球」(2000文字) 2003/12/25(木)13:36 名無し君2号 (2676)
┣【727】 No.97「眼球」(新木部分リライト) 2003/12/29(月)15:43 新木 伸 (666)
┣【723】 1000字課題 青葉桂都 No.1「クリスマスは一緒に」/No.2「勝負」 2003/12/26(金)02:41 青葉桂都 (4998)
┣【725】 1000字課題、12/28分、No.98「死亡遊技」(1600文字) 2003/12/28(日)18:16 名無し君2号 (2759)
┣【728】 1000字課題 青葉桂都 No.3「きゅうせいしゅ」 2003/12/29(月)17:42 青葉桂都 (2296)
┣【729】 100字課題 青葉桂都 No.4「森の外」 2003/12/31(水)00:51 青葉桂都 (2649)
┣【730】 1000字課題、12/31分、No.99「最後の言葉」(2000文字) 2004/1/1(木)07:25 名無し君2号 (2673)
┣【756】 1000字課題、1/25分、No.100「世界の真ん中で」(1200文字) 2004/1/25(日)06:34 名無し君2号 (1484)
┣【760】 1000字課題 青葉桂都 No.5「眠り姫」 2004/1/27(火)02:56 青葉桂都 (2291)
┣【761】 1000字課題、1/26分、No.101「伝説の木」(2000文字) 2004/1/27(火)04:38 名無し君2号 (2637)
┣【770】 1000字課題、2/1分、No.102「桜の枝」(2000文字) 2004/2/3(火)03:04 名無し君2号 (2806)
┣【781】 2/2分、「桜の枝」リライト 2004/2/9(月)06:47 名無し君2号 (2584)
┣【784】 1000字課題、2/3分、No.103「テディベアと少女」(2000文字) 2004/2/10(火)10:00 名無し君2号 (2567)
┣【791】 1000字課題、2/13分、No.104「ロマンティックな光景」(1600文字) 2004/2/13(金)12:33 名無し君2号 (2089)
┣【818】 1000字課題、2/21分、No.105「秘密」(2000文字) 2004/2/21(土)14:12 名無し君2号 (2518)
┣【819】 1000字課題、2/21分、No.106「ハーモニー」(2000文字) 2004/2/21(土)14:13 名無し君2号 (2770)
┣【826】 1000字課題、2/24分、No.107「平和な世界」(2000文字) 2004/2/24(火)14:49 名無し君2号 (2615)
┣【827】 1000字課題、2/24分、No.108〜109「川のヌシ」(2000文字) 2004/2/24(火)14:52 名無し君2号 (5041)
┣【842】 1000字課題、2/28分、No.110「待ち人を待ち」(2000文字) 2004/2/29(日)03:25 名無し君2号 (2749)
┣【843】 1000字課題、2/28分、No.111「待ち人が来て」(2000文字) 2004/2/29(日)03:28 名無し君2号 (2344)
┣【844】 1000字課題、2/28分、No.112「待ち人と帰る」(2000文字) 2004/2/29(日)03:30 名無し君2号 (2343)
┣【845】 1000字課題、2/28分、No.113「待ち人で泣く」(2000文字) 2004/2/29(日)03:32 名無し君2号 (2205)
┣【866】 1000字課題、3/12分、No.114「花いちもんめ」(2000文字) 2004/3/12(金)06:03 名無し君2号 (2350)
┣【871】 1000字課題、3/18分、No.115「鏡の中に」(2000文字) 2004/3/18(木)07:28 名無し君2号 (2573)
┣【874】 1000字課題、3/22分、No.116「まだまだ甘い」(2000文字) 2004/3/22(月)09:10 名無し君2号 (2769)
┣【876】 1000字課題、3/27分、No.117「美味しい罠」(3500文字) 2004/3/27(土)11:13 名無し君2号 (4557)
┣【880】 1000字課題、4/1分、No.118「武侠少女月影抄」(3500文字) 2004/4/1(木)09:08 名無し君2号 (3850)
┣【889】 1000字課題、4/12分、No.119「深く重く、そして強く」(4400文字) 2004/4/12(月)17:40 名無し君2号 (5692)
┣【892】 1000字課題、4/15分、No.119−2「深く重く、そして強く」(4400文字) 2004/4/15(木)17:10 名無し君2号 (5847)
┣【908】 1000字課題、4/23分、No.119−3「深く重く、そして強く」(9500文字) 2004/4/24(土)03:58 名無し君2号 (11885)
┣【909】 No.119−3「深く重く、そして強く」、新木削り版 2004/4/25(日)00:16 名無し君2号 (7732)
┣【924】 1000字課題、5/2分、No.119−4「深く重く、そして強く」(10400文字) 2004/5/2(日)07:04 名無し君2号 (13998)
┣【951】 「深く重く、そして強く」、5/14までの暫定版、ボツ分(原稿用紙31枚) 2004/5/16(日)23:30 名無し君2号 (19901)
┣【952】 「深く重く、そして強く」、5/15、16の暫定版(原稿用紙20枚) 2004/5/16(日)23:39 名無し君2号 (13051)
┣【953】 1000字課題、5/18分、No.119−5「深く重く、そして強く」(原稿用紙40枚) 2004/5/18(火)15:14 名無し君2号 (27190)
┣【977】 No.119−5「深く重く、そして強く」の「解」「感」分析、途中まで 2004/5/26(水)15:10 名無し君2号 (9827)
┣【1063】 1000字課題、8/21分、No.119−6「深く重く、そして強く」出会いと別れ(16000文字) 2004/8/21(土)13:13 名無し君2号 (23075)
┣【1070】 1000字課題、8/21分、No.119−7「深く重く、そして強く」練習、そして軽い挫折(1320.. 2004/8/24(火)08:13 名無し君2号 (17743)
┣【1085】 1000字課題、9/5分、No.119−8「深く重く、そして強く」近づく距離、大きな挫折(2200.. 2004/9/5(日)23:12 名無し君2号 (30432)
┣【1086】 No.119−8「深く重く、そして強く」近づく距離、大きな挫折(22000文字)、76字整形版 2004/9/5(日)23:13 名無し君2号 (30671)
┣【1092】 9/10分、No.119−9「深く重く、そして強く」逃げました(9600文字、原稿用紙17枚) 2004/9/10(金)22:36 名無し君2号 (13681)
┣【1095】 9/14分、No.119−10「深く重く、そして強く」逃亡編、1(10000文字、原稿用紙19枚) 2004/9/14(火)23:42 名無し君2号 (14960)
┣【1098】 9/17分、No.119−10「深く重く、そして強く」逃亡編、2(12000文字、原稿用紙24枚) 2004/9/18(土)01:16 名無し君2号 (18828)
┣【1099】 削除
┣【1100】 】 9/21分、No.119−11「深く重く、そして強く」自覚編(16800文字、原稿用紙32枚) 2004/9/21(火)23:23 名無し君2号 (22667)
┣【1101】 9/21分、No.119−11「深く重く、そして強く」自覚編(76文字整形板) 2004/9/21(火)23:25 名無し君2号 (22852)
┣【1103】 9/26分、No.119−12「深く重く、そして強く」覚醒編その1(8000文字、原稿用紙17枚) 2004/9/26(日)23:00 名無し君2号 (17283)
┣【1104】 9/28分、No.119−12「深く重く、そして強く」覚醒編その2(5000文字、原稿用紙10枚) 2004/9/28(火)23:39 名無し君2号 (12707)
┣【1105】 9/29分、No.119−12「深く重く、そして強く」覚醒編その3(6000文字、原稿用紙11枚) 2004/9/29(水)23:33 名無し君2号 (11048)
┣【1112】 10/2分、No.119−12「深く重く、そして強く」覚醒編その4(2000文字、原稿用紙5枚) 2004/10/2(土)23:04 名無し君2号 (7251)
┣【1117】 10/9分、No.119−12「深く重く、そして強く」覚醒編その5(3000文字、原稿用紙7枚) 2004/10/10(日)01:31 名無し君2号 (5048)
┣【1118】 10/12分、No.119−12「深く重く、そして強く」覚醒編その6(6800文字、原稿用紙16枚.. 2004/10/12(火)23:27 名無し君2号 (12262)
┣【1119】 10/14分、No.119−12「深く重く、そして強く」覚醒編その7(3500文字、原稿用紙7枚) 2004/10/14(木)22:52 名無し君2号 (5203)
┣【1122】 10/18分、No.119−12「深く重く、そして強く」覚醒編その8(6400文字、原稿用紙12枚) 2004/10/18(月)23:54 名無し君2号 (9001)
┣【1123】 No.119「深く重く、そして強く」全文結合版(原稿用紙370枚) 2004/10/24(日)19:26 名無し君2号 (238848)
┣【890】 1000字課題、4/12分、No.120「チョコより確かに」(2000文字) 2004/4/12(月)17:47 名無し君2号 (5045)
┣【891】 1000字課題、4/15分、No.121「逃げだしたあとで」(3500文字) 2004/4/15(木)17:07 名無し君2号 (3850)
┣【903】 1000字課題、4/22分、No.122「花もだんごも」(3600文字) 2004/4/22(木)04:00 名無し君2号 (7768)
┣【904】 No.122「花もだんごも」、新木さん冒頭リライト 2004/4/22(木)21:39 名無し君2号 (853)
┣【913】 1000字課題、4/26分、No.123「エスパー真奈美ちゃん」(4200文字) 2004/4/27(火)02:16 名無し君2号 (5023)
┣【932】 1000字課題、5/7分、No.124「愛しさの朝食」(4000文字) 2004/5/7(金)08:03 名無し君2号 (7738)
┣【938】 1000字課題、5/8分、No.125「愛は純粋ですから」(4000文字) 2004/5/9(日)00:55 名無し君2号 (5258)
┣【941】 1000字課題、5/10分、No.126「ぼくはぼくだけのために」(1000文字) 2004/5/10(月)11:45 名無し君2号 (1668)
┣【945】 1000字課題、5/11分、No.127「ノラ少女」(3600文字) 2004/5/11(火)14:09 名無し君2号 (5211)
┣【948】 1000字課題、5/15分、No.128「美味しく煮こみました」(4800文字) 2004/5/14(金)10:49 名無し君2号 (7424)
┣【955】 1000字課題、5/20分、No.129「たとえ負けるとわかっていても」(7200文字) 2004/5/20(木)17:02 名無し君2号 (8085)
┣【959】 1000字課題、5/22分、No.130「依頼はすでに解決していた」(8400文字) 2004/5/22(土)12:13 名無し君2号 (12765)
┣【973】 1000字課題、5/25分、No.131「きみよ、ぼくといってくれ」(2800文字) 2004/5/25(火)09:38 名無し君2号 (4373)
┣【974】 1000字課題、5/25分、No.132「その手は食いませんから」(3500文字) 2004/5/25(火)12:04 名無し君2号 (4615)
┣【989】 No.132「その手は食いませんから」、新木リライト 2004/6/5(土)21:31 名無し君2号 (1287)
┣【983】 1000字課題、5/28分、No.133「のほほん書店」(4800文字) 2004/5/29(土)02:14 名無し君2号 (6869)
┣【985】 1000字課題、5/31分、No.134「隣の芝生が青く見えすぎちゃった」(6000文字) 2004/5/31(月)16:00 名無し君2号 (8370)
┣【990】 1000字課題、6/5分、No.135「お刺身くわえたドラ猫」(2000文字) 2004/6/5(土)21:33 名無し君2号 (2630)
┣【991】 題名:お刺身くわえたドラ猫(新木リライト版) 2004/6/6(日)03:48 新木 伸 (2442)
┣【992】 1000字課題、6/7分、No.136「眼鏡っ子同盟」(4000文字) 2004/6/7(月)19:14 名無し君2号 (5330)
┣【995】 No.136「眼鏡っ子同盟」、2号削り版 2004/6/9(水)23:23 名無し君2号 (4095)
┣【998】 No.136「眼鏡っ子同盟」、新木削り版 2004/6/10(木)17:42 新木 伸 (2552)
┣【993】 1000字課題、6/8分、No.137「漂流王子」(3600文字) 2004/6/8(火)23:28 名無し君2号 (5308)
┣【994】 1000字課題、6/9分、No.138「追いかけっこ」(1800文字) 2004/6/9(水)23:16 名無し君2号 (2110)
┣【1000】 1000字課題、6/12分、No.139「愛と激情のキャッチボール」(3600文字) 2004/6/13(日)00:04 名無し君2号 (6479)
┣【1004】 1000字課題、6/18分、No.140「鳴らない電話が鳴りまして」(3600文字) 2004/6/18(金)13:01 名無し君2号 (5160)
┣【1009】 1000字課題、6/26分、No.141「亡者ふたり旅」(5000文字) 2004/6/27(日)02:12 名無し君2号 (8512)
┣【1021】 1000字課題、7/3分、No.142「悪魔っ子、地上に降りる」(2600文字) 2004/7/3(土)04:10 名無し君2号 (4530)
┣【1024】 1000字課題、7/6分、No.143「両手にガンを持つ少女」(6000文字) 2004/7/6(火)17:51 名無し君2号 (9696)
┣【1025】 1000字課題、7/8分、No.144「腹がへったら気が短く」(3400文字) 2004/7/8(木)23:50 名無し君2号 (5633)
┣【1031】 1000字課題、7/16分、No.145「だって仕方がないんだ」(6400文字) 2004/7/16(金)12:01 名無し君2号 (10726)
┣【1035】 1000字課題、7/20分、No.146「ナイフ使い、婆さんに拾われる」(4800文字) 2004/7/20(火)22:01 名無し君2号 (8337)
┣【1037】 1000字課題、7/26分、No.147「秘技・すいか斬り」(5800文字) 2004/7/26(月)23:47 名無し君2号 (9320)
┣【1041】 1000字課題、7/31分、No.148「しっかり殺れよ」(7200文字) 2004/7/31(土)18:31 名無し君2号 (11580)
┣【1109】 1000字課題 No.1 「ホントにもうサイアク」 9月26日分 津荒夕介 2004/10/2(土)20:15 津荒 夕介 (1362)
┣【1110】 1000字課題 NO,2「暇人」 9月27日分 津荒夕介 2004/10/2(土)22:21 津荒 夕介 (1580)
┣【1113】 削除
┣【1114】 1000字課題 No.3「君はどうする?」 9月28日分 津荒夕介 2004/10/3(日)01:19 津荒 夕介 (1617)
┣【1124】 10/28分、No.149「べんとらべんとら」(2400文字) 2004/10/28(木)23:19 名無し君2号 (4479)
┣【1126】 11/3分、No.149−1「べんとらべんとら」(10500文字、原稿用紙22枚) 2004/11/3(水)22:17 名無し君2号 (15320)
┣【1127】 1000字課題、11/5分、No.150「ざんざんざん」(5500文字、原稿用紙11枚) 2004/11/6(土)00:53 名無し君2号 (7849)
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