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1315 津荒 1000字課題 No.1「出会い」の書き直し |
2005/8/2(火)23:21 - 津荒夕介 - 4761 hit(s)
1000字課題 No.1「出会い」の書き直し
津荒夕介 2005年8月2日
教室では、高校初の授業が行われていた。
教師は慣れた様子で、自己紹介がてらにギャグを飛ばしている。生徒たちの笑い声は、徐々に大きくなっていった。
そんな中、純也は悩んでいた。
うう、と心の中で唸りながら、隣の席を盗み見る。
乱れのないロングヘアーに、白い肌。教師の話を穏やかな表情で聞いている女子が映った。
おしとやかなお嬢様に見える彼女は、倉田あずみという。
純也は彼女に惚れているのだ。
視線を机に戻す。再び『どうやったら第一印象を良くできるか』について考えだした。
そう。純也は緊張に弱いのだ。何の策もなしに、話しかけて成功するはずがない。
朝から色々考えてきたが、いまだに現実味の無い案しか思いついていなかった。
ちくしょうとばかりに手を頭にやる。ついでに消しゴムを転がしてしまった。
机から落ちようとするそれをつかまえた時、ふっと作戦を思いつく。
消しゴムを転がして拾って貰うのはどうだろう。そんで、さわやかにお礼が言えれば……。
しばらく考えて、却下した。あまり話さなくても良いという利点はあるけど、卑怯な感じがしたのだ。
と、上履きに軽い衝撃を感じた。
椅子を引き、足元を見ると、小さな四角い消しゴムが転がっていた。
もしかして、と顔を横に上げると、倉田がこっちを見ていた。体を半分乗り出している。
純也は一瞬で消しゴムを拾い上げると、「あ、あのっ」と真っ赤になりながら差し出した。白くて細い手の平が視界に入ってくる。さわやかに何か言うなんてムリだった。
「ありがと」
低い声が、そう聞こえた。
驚いて顔を上げると、倉田はニヤニヤと笑っていた。頭が真っ白になった。
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