よみかく分室課題部屋

960 一冊目　「イリヤの空、ＵＦＯの夏　その１」　著：秋山瑞人

2004/5/22(土)16:33 - 白猫 - 8062 hit(s)

現在のパスワード

　新聞部部長の水前寺邦博の発言により始まったＵＦＯを見つけるための山ごもりに夏休みはすべて消費された。中学二年の夏休み最後の日、山ごもりからの帰り道。浅羽直之は夏休み最後の思い出にプールに忍びこんで泳ごうと決めていた。しかし、驚くべきことにプールには先客がいた。伊理野加奈と名乗るその少女の手首には普通ならあるはずのない金属球があった。いったい何者なのか？疑問に思った矢先にパトカーのサイレンとパトライトとともにその男は現れた。君が先に出てくれ。ふと振り返ると伊理野はバスタオルの隙間からこちらをじっと見つめていた。その後の記憶はない。気づくと自転車を駐輪していたビデオ屋の前にいた。
　新学期が始まった。その２時限目彼女は転校してきた。ふと外をみるとあの男が手を振っていた。
　さっそく彼女はクラスメイトに囲まれ、次々に話しかけられていた。目線で助けを求められるが、浅羽はトイレに逃げてしまう。そのまま、気分が悪くなり保健室でしばらく寝てから教室に帰ってくるとクラスメイト達の姿は無く、只、黒板に五限の英語は視聴覚室と書かれていた。誰もいない。誘惑に負け、伊理谷の荷物を漁ってしまう。しかし、そこを伊理谷に見つかってしまった。何とか弁解しようとする浅羽だが、伊理谷は気にした様子もなく放送に呼び出され早退してしまう。その後の掃除のときに伊理野があの後にあっちいけ発言をしてクラスで孤立してしまったことを聞く。僕が逃げ出さなければ、と浅羽は自分の行動を悔やむ。放課後、以前からＵＦＯの謎を解くため基地の中に入りたがっていた新聞部部長の水前寺に基地の居住区に住んでいる転校生伊理野加奈のことを話す。彼は新聞部に必ず入れることを決意する。
　翌日、誰のいたずらか下駄箱に生きた猫が入っていた。そのことについて同じ新聞部の須藤晶穂と話しているとふいに視線を感じ振り返る。するとこちらを見ていた伊理野は顔を伏せた。疑問に思っていると、水前寺がやってきて部の勧誘にきた。伊理野はその言葉に否定するでもなく只立っていた。
　昼休みになるまで待ち、昨日のことを弁解するために必死で考えたプランを実行しようとした。そのときだった。突然警報が鳴り響いた。第一次警報だ。ついに戦争が始まった。誰もがそう思った。今日は防空訓練の日。誰かが言った。訓練だと。しかし、伊理谷は凄い勢いで浅羽の手を引きシェルターの中に入り、隔壁をロックしてしまう。訓練だと説明しようとするが、いつもはこれから訓練を始めるという旨の放送が入るはずだ。訓練ではないかもしれない。そう思っているときに電話が鳴った。パニックになって電話を取ると聞き覚えのある声が。プールサイドに現れたあの男の声だった。その男、榎本から訓練だということを聞かされホッとする。隔壁をあけるまでの間を伊理野の持っていたゲームを教えてもらいながらやっていると、突然、伊理野が倒れた。再び、パニックになった。電話をかけ、どうすればいいかと聞き、注射器を注射するために伊理野の胸をはだけさせろと言われるが戸惑う。何とか恥を吹っ切って注射器をつきたてようとするが、そのとき隔壁が開く。そのとき、浅羽は伊理野の胸をはだけさせ馬乗りになっているところだった。
その後のことはわからない。自分がどうやって教室へ戻ったのかさえ分からなかった。只、うわさは浅羽よりも先に戻ってきた。伊理野も五限目を保健室で過ごして、６時限目には戻ってきた。そして、６限目と掃除が終わったとき、晶穂にひっぱたかれた。部活に出るのをやめ、帰りに下駄箱をあけると裏に伊理野加奈と書かれたピンクの封筒が入っていた。誰もいない時計塔の機関室までいき、封筒を開けた。中身は新聞部への入部届けだった。安っぽいコピーの入部理由には只こう書いてあった。「浅羽がいるから」

一行あらすじ
「浅羽と伊理野が出会い、お互いに惹かれあう話」

〔ツリー構成〕

【894】春日、竹井用根っこ 2004/4/19(月)22:32 管理者 (18)

┣【895】春日用 2004/4/19(月)22:33 管理者 (6)

┣【897】１０００字課題 2004/4/19(月)22:35 管理者 (6)