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1066 No.1「他縄他縛」 津荒夕介
2004/8/22(日)01:19 - 津荒 夕介 - 2030 hit(s)

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 「他縄他縛」:津荒 夕介


 高校生の山姫犬人は、母から受け継いだ特殊な力を持っている。その母は「鬼」と呼ばれる能力者に殺された。犬人は復讐のために、呪術士である父と、日々鍛錬をつんでいる。
 そんな犬人には、橋本紗江という彼女がいる。普通人で、良く喋る犬人とは対照的だが、芯がしっかりしている。二人は、帰り道でキスをするほどラブラブであった。
 ある日、紗江が欠席した。携帯をかけるが、つながらない。授業後、紗江の家に行くと、親しい彼女の親から、紗江が行方不明だと聞かされる。犬人は慌てて紗江を探す。彼は鼻が良い。見つけた紗江の匂いをたどるが、フェイクだった。犯人は犬人の鼻の良さを知っていて、耳だけを使い、匂いをわざと残し、彼を見当違いの方向に誘導したのだ。
 父を頼って家に帰った。すると、家から良い匂いがした。犬人は、紗江の事を「忘れて」家に入る。台所には、テーブル一杯に料理が並んでいた。父は、昨日から一晩かけて作ったのだと言う。犬人は喜んで食った。食べ終えて、犬人は紗江の事を思い出す。忘れていた事を変に思いながら、父に相談した。すると父は、紗江は犬人の腹の中だと答えた。
 父は犬人の母親が、山姥と呼ばれる人食いであった事。人を食べすぎた故に、「鬼」に退治された事。耳は使い魔に運ばせた事を話す。事実を受け入れない犬人に、父親は紗江の首を出して見せる。犬人は切れた。母の血が入っている犬人は、紗江を食べた事でパワーアップしていた。父を圧倒し、その首に爪を立てる。しかし、なぜか体が動かず、殺せなかった。
 父は笑いながら言う。犬人は、生まれてまもない頃、父に呪いをかけられていたのだ。それは「鬼一族を殲滅するまで、犬人は父を傷つけられない」というものだった。
 犬人は父に怒り、父を殺すと決心し、そのために鬼一族を殺そうと決める。



 一行あらすじ
 山姥の犬人が、自分が父の思い通りに操られている事を知り、父を憎む話。


〔ツリー構成〕

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