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1170 「早瀬と雪」、プロット
2004/12/16(木)16:49 - 月白 - 1780 hit(s)

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 「早瀬と雪」、プロット

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 一行コンセプト

 少年が転校を重ねている少女をデートに誘い、デートの中、隠し持っていた哀しみと寂しさを見せた少女に少年が応え、少女の哀しみと寂しさが溶けてゆく話。

 物語の中心は、少女。
 主人公は、少年。
 少年が、少女を感じる。
 少年が感じるために、少女はいる。
 視点保持者(一人称)は、少年。
 ある意味、ボーイミーツガールな話。

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 起承転結4分割
 起……少女がやってきて、デートを始める。
    (柔らかな少女。転で見せる「うったえ」と対照的な「柔らかさ」)
 承……楽しそうな少女。デートをしてゆくうちに、少年と少女は心を近づけてゆく。
    (会話)
 転……少女が隠し持っていた寂しさを見せる。少年が応えて、二人、心を通い合わせる。
    (少女の壊れそうな「うったえ」と、少年の応え=心の通い合わせ)
 結……少女の哀しみが溶けてゆく。
    (少女の哀しみが溶けてゆく)

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 早瀬は、最初から哀しみを見せるべき?
 それとも、しだいに少女に近づくにつれ哀しみが見えてきて、その哀しみを溶かすべき?
 →後者とすべき。(粒を立てる)
 →基本的に粒を立てるために寂しさの予感は必要だが、「私寂しいの」では、ボーイミーツガール物にならない。

 楽しげ(伏線として、クラスで独りの少女の説明 これがないと、少女の哀しみが唐突)
 →哀 しみを持っていた。
 →その哀しみが少年との心の重ね合わせで溶けてゆく。

 デート始めてから楽しげで、サンシャインの屋上まで楽しげで、哀しみを見せない。

 その一文、一単語は、絶対に必要なのか?
 その場所でなくてはならないのか?
 代わりの文、単語では、ダメなのか?

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起承転結16分割
起……起……待っている。
    承……待ち遠しくて、やがて靴の音がする。
    転……顔を向けると、早瀬がいた。
    結……デートを始める。
       (少年の嬉しさの描写。
       少女は寂しさを持っている。
       少女の日常を説明=後で見せる少女の寂しさへの伏線。
       少年と読者の、少女に対する知識レベルを早い段階で一致させる。
       寂しさの予感(上記)。
       少女はまだ寂しさを見せない)
承……起……デートを始める二人。
       楽しげな少女。楽しげな会話。つなぎ。
       (少女は、まだほんとうの自分を見せてはくれない)
       (会話で、デートを誘ったのは少年だということを、わからせる)
    承……サンシャイン60でデートして、屋上に上がり、風景を見る。
       ここまで、少女は、楽しげ。
    転……少女「ありがとう、東野君」
       「いつも教室の中から、私のこと、気にしてくれていて」
       (少年と少女が近づいてゆく)
    結……少年、「かぁっ」となる。
転……起……少女「さよなら、ね」
       (少女が、隠し持っていた寂しさを見せる)
    承……少女「また……さよなら……よ」
       驚く少年に、少女の壊れそうな、うったえる表情が染み込んでくる。
    転……少年「早瀬とならっ!」。
       (二人が、心を通い合わせた瞬間)
    結……少女が、少年と心を通い合わせたことを実感する。
       そういう少女の態度、表情の描写。
結……起……雪がふってくる。
    承……少女が腕を広げて天を仰ぐ。
    転……その満たされたという表情の少女は、雪の中でとてもきれいで。ずっと見ていたくて。
       (少女の、満たされたという感じ)
       (少女の哀しみが溶けてゆく、それを表現するセリフ)
    結……少女が雪に溶けてゆく。

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 設定・キャラクターデザイン
 早瀬雪野……11月初めに、高校2年2組にやってきた転校生。
       12月初めには、よそへ転校していってしまう。
       物静か。
       早瀬は、転校を繰り返している。
       早瀬の、刹那的な哀しみ、寂しさ。
       最初は、クラスの人たちに話しかけられたが、あまりうちとけず、自分からクラ       スに馴染もうとせず、クラスも放置。どうせ来月には転校していってしまうんだ       し。
       主人公とも話したことはほとんどなかった。
       主人公は、淡い気持ちを抱いて、よく見ていた。
       早瀬の寂しさみたいなものを、感じる。
       ベランダでの彼女の横顔が、印象的で。きれいで、ちょっと寂しそうで、
       東野は、そんな彼女を気にしているが、声をかける勇気がない。
       東野は、彼女が転校していってしまう直前に、思い切って声をかけて、デートに       誘ってみる。
       早瀬は、休み時間は、ベランダに出て、風に吹かれて校庭を見ていることが通例       だった。
       昼休みには、いつも教室を出て、どこかでお弁当を食べていたみたいだ。
       いつも、午後の授業が始まる直前に、戻ってきた。
       主人公の淡い想い。
       早瀬が、主人公を気にしている、あるいはクラスとかクラスメートを気にしてい       る様子はなかった。
       早瀬は、いつも、独りだった。
       独りで、ベランダで、冷たい風に吹かれていた。

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 起承転結16分割対応シーン

起……起……待っている。
    シーン1 早瀬を待っている東野。(1時間前から待っている)
         コンセプト 5W1H
         文章設計
         1 5W1H(誰がどこでいつ何ゆえに何をどのようにしているのか)
         僕が(WHO)
         前面のデパート。(WHERE 場所の提示 必要)
         昼前(WHEN)……見つからなくて。
         どんよりと曇った空を見上げて。
         (「雪が降ってくる」の伏線 必要)
         少女を(WHAT)
         待っている(HOW)「雑踏の中を探す」(描写)
         大切な人だから(WHY)
         2 で、また、前方のウィンターセールの宣伝垂れ幕を眺めて。
         3 僕の行動には、既に完全な周回コースが出来上がっている。

    承……やがて靴の音がする。
    シーン2 やってきた早瀬
         コンセプト 主人公のドキン
         文章設計
         1 こつん。
         2 ヒールの音が、耳に響いて心臓にまで届く。
         3 鼓動が高鳴ってゆく。
         4 ゆっくりと顔を向けてゆく。
           (白いコート、さらさらの肩までの髪、柔らかい微笑、の描写)

    転……顔を向けると、早瀬がいた。
    シーン3 早瀬がいた。
         コンセプト 優しい笑みの早瀬の描写
         淡い瞳に、優しい光を湛えた早瀬雪野が、そこにいた。

    結……デートを始める。(早瀬の寂しさを説明)
    シーン4 早瀬の日常の説明
         コンセプト 早瀬の日常と、立場の、説明
         文章設計
         1 休み時間、いつも冷たい風の吹くベランダで独り、校庭を眺めていた早         瀬。
         2 クラスに来てからまだ1ヶ月ばかり。なのに、もう来月にはまた転校し         ていってしまう早瀬。
         シーン5 デートに出発する。
         コンセプト デートに出発する。
         文章設計
         1 早瀬が、口元を丸める。
         2 早瀬「行きましょう」
         3 その滑らかな旋律を味わいながら、僕は早瀬と一緒に歩き出した。

         早瀬の描写ができれば
         → 絵でわかる
         → 高2とか、17歳とかは、いらない情報
         → 必要なのは、「クラスメイト」「12月には転校していってしまう」            「物静かな、クラスに溶け込むこともなかった女の子」

承……起……デートを始める二人。
    シーン6 雑踏を歩いている二人。
         コンセプト 楽しそうな少女。(寂しさは、見せない)
               少女に近づこうとする少年。
         文章設計
         1 雑踏の中を歩いている二人
         2 少年「迷惑だった?」
         3 くすっと笑う少女
         4 少女、楽しそうに、「あそこに入りましょう」

    承……サンシャイン60でデートして、屋上に上がり、風景を見る。
    シーン7 サンシャイン60内のデートから展望台に上がるまでの、説明。
         コンセプト 楽しいデート
    シーン8 屋外の寒さ、風、風景の描写。
         コンセプト 寒さと風景

    転……少女「ありがとう、東野君」
       「いつも教室で、私のこと気にしてくれていて」
       (少女が、ほんとうの自分を見せてくれる)
    シーン9 少年と少女の会話。
         コンセプト 寂しさを見せる少女

    結……少年、「かぁっ」となる。
    シーン10 少年のドキドキの、描写。
          コンセプト 少年のドキドキ

転……起……少女「さよなら、ね」
    シーン11 「さよなら、ね」という少女
          コンセプト 少女の笑み

    承……「わたしは……また……さよなら……よ」
    シーン12 壊れてゆく少女の笑み
          コンセプト 壊れてゆく少女の笑み
                それが少年にしみこんでくる。

    転……少年「僕が早瀬と一緒に!」(二人が、心を通い合わせた瞬間)
    結……少女が、少年と心を通い合わせたことを実感する。
結……起……雪がふってくる。
    承……少女は手を広げ、顔を天に向ける。
    転……少女の哀しみが溶けてゆく、という表情仕草の描写
    結……少女に雪が降ってくる。






〔ツリー構成〕

【1106】 月白、掌編根っこ 2004/9/30(木)23:13 月白 (50)
┣【1107】 生徒会書記、吉野春香の日常 2004/9/30(木)23:18 月白 (3979)
┣【1108】 俺と高野美咲の、なんつーかすげー言い難い関係 2004/10/1(金)12:38 月白 (9671)
┣【1111】 「俺と高野美咲の〜」冒頭部リライト 2004/10/2(土)22:38 月白 (1271)
┣【1115】 早瀬と雪 2004/10/3(日)17:37 月白 (4266)
┣【1116】 「早瀬と雪」、冒頭部リライト 2004/10/5(火)22:54 月白 (1403)
┣【1166】 「早瀬と雪」、リライト 2004/12/15(水)14:28 月白 (4000)
┣【1170】 「早瀬と雪」、プロット 2004/12/16(木)16:49 月白 (9044)
┣【1171】 僕は、君と闇の中へ歩き出す 2004/12/16(木)17:53 月白 (10571)
┣【1175】 「僕は、君と闇の中へ歩き出す」、リライト 2004/12/19(日)00:24 月白 (10833)
┣【1176】 「僕は、君と闇の中へ歩き出す」、指示語禁止、接続詞禁止 2004/12/20(月)00:42 月白 (10094)

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