よみかく分室課題部屋

1277 白石さん　１０００字課題　「遅刻の理由」リライト　視点分別版

2005/6/22(水)23:17 - サカモト - 2196 hit(s)

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白石さん　１０００字課題　「遅刻の理由」リライト　視点分別版

　強烈な苦みが口の中に広がった。→太郎
「うっ、がぁ、げぼ、おええぇぇ」
　洗面台に、泡状の白い液体がはき出される。太郎は慌てて口をゆすいだ。→外
　洗顔クリームの苦みはなかなか取れなかった。→太郎
　クリームの付いた歯ブラシを、太郎が睨んだ。→外
「姉ちゃん、また、洗顔クリーム置いたなぁ」
　似た模様の洗顔クリームが、歯磨き粉の隣に置かれていた。→外
「たやったぁ？　だから、確認しろって言ってるでしょ」
　廊下の向こうから、花子が叫び返す。→外
「確認しろじゃなくてさぁ。この前、頼んだのにぃ」
　もう一度口を濯ぎ、洗面所を後にする。→太郎
　食堂に飛び込み、姉を恨めしげに見つめる太郎。食堂で、花子はゆっくりと箸を動かしていた。→外
「もぉ、頼むから洗顔クリームは戻してよ」
　ピタッと箸が止まる。切れ長の目が上がり、太郎をねめつけた。→外
「なに言ってんの。それくらい、確認すれば済むことでしょ。頭良いくせに。ホント、なんでそんなに抜けてるの。そんなんじゃ、これから先、やってけないよ。ちょっと、聞いてる？」
「わかんないって。良く似てるんだもん」
　　花子は更にたたみかけた。→外
「普通はわかるの。成績良くても、ソレじゃやばいからね」
「わかったよ」
　渋々頷く太郎。→外
「そ、じゃ、早く食べちゃって」
　花子が太郎の席を指す。さっき用意してくれていたのだろう。テーブルの上には、よそったばかりのご飯茶碗が置いてあった。→外
　席に着く太郎。→外
　箸を止めた花子が、みそ汁をよそって渡してくれる。→太郎
「熱いよ。気をつけて」
「あ、ありがとう。うあっちぃ」
　お椀は、熱いを通り超して痛かった。→太郎
　思わず手を離す太郎。テーブルの上に、勢いよくみそ汁がぶちまけられる。→外
「ちょっとぉ。ああ、もう」
　慌てて、布巾を取る花子。テーブルから床にこぼれようとする汁をせき止める。太郎は、慌ててお椀を起こす。→外
「ご、ごめん」
「いいから、早く机の上拭いて」
「う、うん」
　慌てて、流しにあった布巾を取る太郎。→外
　もうこぼさない。慎重に。などと考えながら机の上を拭いていく。→太郎
　おかずの載った食器をどけて布巾を動かした。テーブルの上には、食器の他にみそ汁が入った鍋も載っている。鍋の周りは特に慎重にやるつもりだった。→太郎
「鍋、気をつけんのよ」
「大丈夫だよ、ほら」
　太郎が花子を見て返事を返す。→外
　その瞬間、注意がそれていた。勢いよく、鍋に布巾を持った手が当たる。→太郎
「あちぃーーーーー」
　勢いよく手を引く太郎。→外
　手が鍋の取っ手をひっかけた。→太郎
　バシャァっと盛大にみそ汁がこぼれる。→外
「ちょっと、ちょっと、ちょっとぉ」
　姉の声がひびく。太郎は冷めた頭で、今日は遅刻だなと考えた。→太郎

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※説明文が、太郎か外か、どこから見たモノとなるのか分別しました。
　文の末尾に→太郎、もしくは→外と付けて、どこから見て書いた文かを示してあります。
　

　時間：10分