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1002 弟切、現実の会話テープ起こし、その1
2004/6/14(月)23:12 - 弟切 千隼 - 929 hit(s)

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O「これで入るはずなんでー。すみません、よろしくお願いしまーす」
Y「はい」
O「まあ、気にせず(笑)、食べて、しゃべって下さい」
Y「うん」
(間。食べている)
O「なんか、このお箸、長い。すごく」
(ここで、Yの台詞聞き取れず)
O「うん、男持ちの箸みたいですよ」
Y「ああ、確かに」
O「男の人なら手大きいからこのくらいでもいいんだろうけど」
Y「ちょっときびしいですよね」
(少し間)
O「そういえば、中国行った時やっぱこんなだった」
Y「ああ」
O「長いんですよ向こうの箸も。で、けっこう太くて、丸いんですよ先が」
Y「ああ」
O「だから、へえ、こっちの箸ってみんなこんななんだー、とか思って」
Y「たまーに中華料理店とかでも、やたら長かったり」
O「そうそうそうそう、みんなああいう感じ」
Y「あんな感じ」
O「みんな、ナチュラルにああみたいですよ」
(間。食べている)
Y「じゃ、向こうの人たちからすると、日本人はなんであんなちっちゃい箸で物が食べられるんだって」
O「そうかもしんないですよね、うん」
(間。食べている)
O「(小さい声で)今、いったいなーんじ?」
(間。食べている)
O「すごい。さすが、上品な煮物だわ。こんなんできねえって」
Y「(笑)」
(間。食べている)
Y「いい天気ですねえ」
O「すごーい。ほんと、いい天気だねえ」
Y「洗濯してくればよかった」
O「(笑)」
Y「最近どんどん所帯じみてきて」
O「そう、なんかあたしも、布団干したいよなあとか思ったんだけど……さすがに布団はやめとこうと」
Y「出かけると夕立とかが怖いから(笑)」
(間。食べている)
O「社会人になっちゃうと、なかなか、人と、ペースが合わないから、友達と会って話すのも大変なんだよね」
Y「そう、だいたいー、みんな土日ですからね」
O「うん、特に、平日休みだとさ、友達と会えないよね」
Y「はぁー、どんどん、友達が減るよーって、こう、脅されました」
O「そう」
Y「だいたい、大学の友達とかは公務員とか普通の事務職員とか」
O「ああ、どうしてもね、うん」
Y「えと、地元の友達は逆にあのー、流通とか、あと、介護系なんで」
O「うんうん」
Y「さらに会うのが難しいと思います……」
O「そだねえ」
Y「ひとり、Lへ行った子がいて」
O「おぉ?」
Y「ライバルだライバルだって、こう」
O「ほお」
(少し間)
O「なんかあたし、いそうでいなかったんだよね、そういう友達って」
Y「ああ、流通業界の人とか」
O「いや、流通そのものはいるんだけど……衣服とか、うん、食料とかそっちで、そういう雑貨系の人がいなかったね、うん。いそうな感じなんだけどいなかったなあ」
(少し間)
Y「けっこう、面白いですね、やっぱり。ああ、こういうのも売れちゃうんだーって」
O「(笑)」

―――――――――――

O「そう、一回、謎だったんだけど、Hの人って、あれ、売ってる商品全部使ってみてるの?」
Y「あー、あれはですねえ……一応、売れ筋と、あとは、まあ人にもよるんですけど、あたしのトレーナーだった方は」
O「うん」
Y「うん、使ってましたね」
O「おお、素晴らしい」
Y「あの、消臭剤とか……あとー、ワックスはさすがに全部は使えなかったみたいなんですけどぉ」
O「そうだね、そういう個人で使うには苦しいものってあるからねえ(笑)」
Y「洗剤と、防虫剤と……消臭剤は、だいたい比べたことがあったみたいですよ」
O「ふーん。それは素晴らしい」
Y「家とかすごいきれいみたいですよ、だから」
O「いやでも、きれいになりそうよね」
Y「多少、もらえますからね、取引先の方から」
O「へーえ」
Y「今度うちで新しく入れたいんですけどって」
O「うんうん」
Y「いやあ、感動的に汚れ落ちが」
O「おおー。やっぱ、業者の人が試供品くれるんすか?」
Y「ええ。あのー、この商品の、値段まだ決めてないんですけど、これぐらいの落ちでこれぐらいの量だったらいくらぐらいがいいか考えて下さいってことで」
O「ふんふんふん」
Y「ちょっとだけ分けてもらって」
O「ふーん」
(間。食べている)
O「やっぱさあ、例えばシャンプー売ってる人だったら、毎日一生懸命いろんなシャンプーとかでやってみてるとか、そういうあれなのかねえ?」
Y「けっこう、試供っていうー、で、まずもらって、それであの、店頭に置くには、使ってみて良かったら置く感じらしい」
O「うん」
Y「まあ、たぶん限界はあると思います……正直」
O「(笑)」
Y「一応あの、化粧品とか食べ物系の、万が一何かあったら大変なものは」
O「うん」
Y「試食なり、試供なり、やったりして」
O「うん、ふんふん」
Y「まあ、熱心な人とそうでない人がいますからね」
O「会社としてやれ、っていうわけじゃないんだ?」
Y「いえ一応、新しく入れ始める時には、まあ、試しなね、っていう方針なんですけど」
O「うんうん。個人に任されてるわけね」
Y「はい。だからまあ……がんばる人はすごいがんばってるんですけど、そうでもない人は、まあ、しない、みたいな」
O「ほーお」
(少し間)
O「あんだけたくさんの商品があるから、どおしてんのかなあ、とか思って、でも、まったく知らなきゃあやっぱ紹介できないしねえ」
Y「ただあの、調理器具のコーナーの人たちは、ひととおり、やってましたね」
O「ああ、うん」
Y「けっこう違いとか訊かれるんで」
O「うーん、そうだね、それは使ってみるしかないだろうからね」
Y「あと、洗剤とか、消臭剤系は、ある程度知識で補えるみたい」
O「うんうん」
Y「あのー、これの消臭成分はこういうのだから、これぐらい取れるはず、とか」
O「うん」
Y「聞いてもさっぱりわかんない(笑)」
(少し間)
Y「社員の皆さんは説明好きだから」
O「うん」
Y「話しだすと長いんだ(笑)」
O「(笑)まあでも、Hの人って、訊けばちゃんとそうやって答えてくれるからね。うん、それは好き。けっこう普通の人だとさ、訊いても答えが返ってこなくてさ。じゃあ売んなよ、とか思いたくなる時があるけどさ」
Y「だからあの、勉強しました。一週間しかいないけど」
O「うん」
Y「せめてこれぐらい」

―――――――――――

(少し間)
Y「世の中は不思議に満ちていました」
O「そうですねえ」
(間。食べている)
O「そういえばHにもさ、ペットコーナーってあるじゃないねえ」
Y「はあ」
O「ああいうところだと、やっぱペット好きの人とかが一生懸命使ってみてんのかな」
Y「ああ、たぶん、飼ってる方は、試してるんじゃないかと」
(少し間)
Y「たまにあの、こっちがこう、付いていけないぐらいの薀蓄を、垂れるお客さまもいて」
O「ああー、そうだろうねえ」
(少し間)
Y「こういうの売れるんだっていう物もけっこう売れるんですよ」
O「ふーん」
Y「あの、ペットのいる家庭用のワックスとか」
O「あーあ、うんうん」
(少し間)
O「最近ペットブームだからね、ペット用品売り場とかに行くとびっくりしちゃうよね、いろんなものがあって」
Y「猫用の首輪を見た時は、首輪じゃないや、散歩用のあの」
O「あ、引き綱?」
Y「うん、ちょっと小さい、猫でも使えるようなタイプの」
O「うんうん」
(間。食べている)
Y「最近……エビとかアリが売れるんですよ」
O「おお(笑)。まあ確かに、静かだしねえ」
Y「あの、こんぐらいの容器に入っていて、まあ詳しい仕組みは、ちょっとよくわからないんですけど、中に生態系がひととおり揃ってて、特に何もしなくても」
O「うん、そのままずっと、日の当たるところに置いとけば、ってやつ。あった、昔からあった。なんか、エコスフィアとかいうやつ」
(少し間)
Y「その、アリが、どうやらNASAが開発した装置に入ってるとかで」
O「へーえ」
Y「宇宙アリとか、こんなポップが付いてる」
O「あの、ガラスで、中も見えるようになってる。巣の中」
Y「ブルーのゼリーみたいのの上にアリがたくさん。ちょこまかしてる」
O「へーえ。土が入ってるんじゃない?」
Y「うん、なんか、そのー、ゲル状の……あの、消臭剤で、ゼリーっぽいやつ」
O「うん、うんうん」
Y「あんな感じのが、入っていて、土はないんですよ」
O「へえ」
Y「あれはどういう仕組みなのか」
O「へえー。アリはそこに、こう、穴を掘ってるわけじゃないわけ?」
Y「ううん。段階が進めば、巣とか作っちゃうのかも知れないんだけど、入荷した時点では、まだ、上をちょろちょろ」
O「へー、そこをちょろちょろしてるだけなんだ。ふーん、それはなんか、ちょっと飼って経過を見てみたいよね(笑)」
Y「ちょっとエビとか買っちゃおうかな、と」
O「ああいうこう、静かだけど、一応生き物がいるって、なんか、違うからね」
(間。食べている)
O「だって、クラゲとか売ってるもんね、今」
Y「けっこういるみたいです。同期の子が、ペット売り場の近くのところで、あのー、クラゲとか扱ってるとこ」
O「あの、海水浴場によく出るミズクラゲ(笑)」
Y「海で見ると全然可愛くないのに(笑)、こう、水槽に入ってるのはいいかも、とか思っちゃう」
O「あれはね、なんか見てると癒されるよね、確かに。ふわー」
(間。食べている)
O「クラゲとかエビとか、クリオネとか売ってましたね」
Y「クリオネ欲しい。でもあれ、飼うの難しそうですよ」
O「なんか前に会った人で、クリオネを飼ってたって人がいたのね。どうやって飼ってるんですかって訊いたら、やっぱ暑さに弱いからね、冷蔵庫に入れてんだって」
Y「(笑)」
O「こう、ガラスのコップみたいな入れ物に、入れて、で、なんかね、特に餌やらなくても一ヶ月くらい生きてるらしいのね。だもんだから、そのまま、冷蔵庫に入れといて、で、時々冷蔵庫から取り出してこうやって見てて、で、こう、手の上に載せてるとあったまってきちゃうから、そしたらまた戻して。それでべつに普通に生きてたよー、とか言って」
Y「長時間は、愛でられないんですね(笑)」
O「そうそうそう(笑)。長時間愛でるなら水族館に行って下さいっていう感じ」
(少し間)
O「なんか、冷蔵庫を開けるといきなりクリオネが入ってるっていいかもしんない」
Y「何も知らない人が来たら(笑)」
O「冷蔵庫の中にはクリオネとビールしか入ってないって、なんだその究極の選択みたいのはって(笑)」
Y「じゃ、クリオネはビールとともに冷えているんだ(笑)」
O「そうらしいです(笑)」
(少し間)
Y「なんか冷蔵庫内部を想像するとすごいシュールですね」
O「そう(笑)。一番絞り、とかと一緒に並んでる、だーっと」
Y「クリオネ的にはどうなんだろう?」
O「どうなんだろう? 彼等には視覚はちゃんとあるはずなんだ」
(間。食べている)
O「もともと、あのー、オホーツクの氷の下とかにいるから、薄暗いのはたぶんオッケーなんだよね。うん……まあ、冷蔵庫内部だから寒いのもいいとして、そういう意味では、環境としては、ちょうどいいのかもしんないけど(笑)」
(少し間)
Y「寿命はどれぐらいなんでしょう、ね?」
O「なんも食べなくても一ヶ月ぐらいは生きてるって言ってたけどー……そんなに長生きする生き物じゃないんだよねあれも。一年なんて生きない、んじゃないかな。あれ、って一応貝の仲間だから」
Y「あーああ」
O「うん、ただ、貝殻は、退化しちゃってないのね。うん。で、たぶん、卵で生まれて、子供の頃は親と全然違う姿で、でも、たぶん、プランクトンなのねやっぱり、ずっと。で、普通の貝は、そのあと貝殻ができて、海底這うようになっちゃうんだけど、彼等は貝殻ないから、ああやってぱたぱたずっと泳いでる」
(少し間)
Y「じゃあ、ある日冷蔵庫を開けたらクリオネが浮かんで(この後聞き取れず)」
O「(笑)」
(間。食べている)
O「一応クリオネって肉食だからなー」
Y「餌は何をあげるんでしょう?」
O「水族館とかでは何あげてんのかなあ? サンシャインとかで飼ってるよねー、うん、うん。江ノ島にも確かいるし……たぶん、なんか、魚のミンチとか、そんなようなもんあげてんじゃないかなと思うんだけどね、水族館では」
Y「うん」
O「野生だと……や、あのね、同じように、浮いて暮らす貝がいるのね。でその貝は、貝殻が、退化してるんだけども、ちゃんとこう、でんでん虫みたいなこう、貝持ってて、でも、そこに、こう、クリオネみたいな翼があってぱたぱた泳いでるっていう、なんか冗談みたいな貝がいるのね、ほんとに(笑)。で、これを、食べる。襲って」
Y「え」
O「そう。あの頭の部分に、口があって、で普段は閉じてるからわかんないんだけど、こう、近寄ってっていきなりがばって開けてばくって食べる(笑)。子供が見たら泣くよ、みたいな」
Y「実はあんまり愛らしくないかも(笑)」
O「そうそうそうそう。なんかね、食事風景はすごいらしいです」
Y「見たいような、見ないでおきたいような」
(少し間)
O「そう、食われる貝のほうがね、可愛いって言ってる。それはプランクトン食だからおとなしいんで。貝殻持っといて泳ぐなよ、みたいな、かなり矛盾した存在なんだけど(笑)」
Y「何がしたいんだろう?(笑)」
(少し間)
O「なんか、実物見るまではちょっと信じがたいよね。貝でこう、ぱたぱた泳いでるってねえ」
Y「(笑)」
(間。食べている)
O「可愛いけど実は肉食だっていう……みんな知らないんだよなあ」
Y「ちょっとショックかも知れない」
O「うん」
Y「じゃ、食事風景をそのままトリビアに」
O「うん、トリビアになりそうだね、あれは」
Y「全国の皆さんの夢を壊す(笑)」
O「そう、全国の皆さんの夢を壊す(笑)。外見でものを判断しちゃいけないよ、って」
Y「そのまんま」
(間。食べている)
O「サラダ食べて下さいなー」
(少し間)
O「この魚の卵、とびっこかなあ? ぷちぷちして美味しい」
Y「けっこう好きなんですけどー」
O「ううん」
Y「名前が……」
O「うん。……魚の卵系ってさ、高いじゃん、だいたい」
Y「とても買えない」
O「買おうとすると、ね(笑)。とてもさ、個人で買えないよね、普段」
Y「御飯食べに行った時くらい」
O「そうそうそう」
(少し間)
Y「こないだあの、一応こう、基礎がなってないんで、料理の本でも買おうかな、と思って」
O「うんうんうん」
Y「とりあえず、一人御飯みたいな本を、ちらと立ち読みしたんですよ。そしたら、これさえできれば彼も何たら、と書いてあって、いやあ、なんか買う気失せるなって」
O「(笑)」
Y「こっちは実用的なことを知りたいんであって、そういう手段として料理したいわけじゃない」
O「わけじゃないんだー(笑) 普通に料理してこう、自分が食うんだーって」
Y「だいたい、このタイトルだったら男も買うだろ(笑)」
(少し間)
O「最近はね、下手すると男の人のほうが料理上手かったりするからねー」
Y「ありますねー。こう、学生時代の友達がけっこうまめに自炊する人が多くて……遊びに行くと、あり得ない調味料が、あったりしました」
O「(笑)あった。あたしの友達でもけっこういた」
Y「なんでこの人ナンプラー持ってんの? 使うの?(笑) 台所がすっごいきれいか、散らかってるかのどっちかなんで……でー、まったくしないかすごくするか」
O「うん。そう、やっぱりね、すごい人がいて、なんかカレーが大好きで、すごい凝り性だから、しかもね、全部スパイスがばーって揃ってんのよ」
Y「えもうあの、カレー粉じゃなくて?」
O「カレー粉じゃなくって」
Y「ターメリック、とか」
O「もう、ターメリック、とか、クミン、とか(笑)。あの辺が全部、こう」
Y「自ら調合して」
O「そうそうそうそう、調合して」
Y「だー……一日仕事ですね。きっと」
O「もうね、だから、調味料棚っていうかね、スパイス棚があるんだよ、台所に」
Y「うわあ」
O「(笑)うおー、やるなあ」
(少し間)
Y「その、ケーキ屋やってる友達のアパートに行ったら」
O「うんうん」
Y「小麦粉棚がありました」
O「おほお、さすが」
Y「これがねー、シフォンケーキ用のこまいのでねー、とか、こう、いろいろ解説してくれたんですけど」
O「おおう、すごい」
Y「みんな粉にしか見えない(笑)」
O「(笑)まあね、確かに、本当は、そうやって使い分けるのがいいんだよね」
(少し間)
O「そんなにやりません(笑)……嫌いじゃないんだけど、暇がないです……」
Y「……でもその子も不思議な子で」
O「うん」
Y「高校出てすぐ就職したんですけど」
O「うん」
Y「その時は印刷会社だったんですよ」
O「うんうん」
Y「で、事務職をやりながらデザイナーを目指すよとか言ってたんですけど」
O「うん」
Y「一年もしたらあの、電話が来て、『会社辞めたよー』」
O「うん」
Y「その後一ヶ月ぐらいふらふらして、次は何すんのかなーと思ってたら、ケーキ屋になった、って手紙が来たんですよ」
O「おおう」
Y「で、なんか、なんかすごい入れ込んでたみたいで、将来は自分の店を持ちたいんだ、って言って。じゃあ、がんばってお金貯めな、と応援していたつもりが」
O「うん」
Y「またー、一年半ぐらいして、辞めた、って言って」
O「おお」
Y「結局、今、Lで販売員やってる(笑)」
O「(笑)」
Y「何がしたいのか(笑)」
O「ううん……まあ若いうちは、いろいろやってみるのもいいかもね、って思いますけどね、私は」
Y「きっとその時の、うん、やりたいことを……」
O「うーん」
Y「こう、何でもすごいがんばるから、すぐあの、それなりに」
O「うん、上達しちゃうんだ」(少し間)
O「うーん、まあ、そういうのも、若いうちはいいような気がすんだよね、うん。二十代のうちは、けっこうふらふらしてもいいような気がする(笑)……そうやってがんばるタイプだと、けっこういろんな技能身につくだろうし」
(少し間)
Y「就職決まる前、高校時代は」
O「うん」
Y「調律師の勉強をちょっと」
O「おお。……なんか、そういう、手に職系が好きなんですかね?」
Y「で、たぶんある程度やっちゃうと」
O「うん」
Y「なんかまた別のことを」
O「面白くなくなるのかな?……へえー」(少し間)
(ここで、Oの台詞聞き取れず)
Y「友達の中であの子が一番こうー、何だかよくわかりません(笑)」

―――――――――――

(間。食べている)
Y「気がついたら漫画家になってた子がいました」
O「お?」
Y「なんか……挿し絵やることになったっていう連絡はもらったんですよ」
O「ほおほおほお」
Y「スーパーダッシュ文庫かなんかの」
O「あーああ。うんうん」
Y「へー、すごいねーとか言ってたら」
O「うん」
Y「あの、こないだ本屋で、見かけた雑誌に、載ってました。漫画の」
O「あれ?って」
Y「あれ、どっかで見たような絵があるよなあ、と思ったら」
O「見たような絵があるよなあと思ったら……あらー。へー」(少し間)
O「一時期、うん、やっぱり高校出て、専門学校行って、漫画家になった子がいたのね」
Y「うん」
O「だけど、その子はやめちゃったね」
Y「けっこう業界きびしいんですか」
O「やっぱりね、大変なのね。そもそも掲載してた雑誌がつぶれちゃって、とかいろいろあったんだけど(苦笑)うん」
Y「よくある話(苦笑)」
O「よくある話で」
(少し間)
O「やっぱりね、大変みたいね」
Y「うん」
O「特に、女の子だとね、体力の問題もあるみたい。週刊なんて持たないって言ってた、うん。だから、週刊のジャンプとか、サンデーとか、あのへんに、こう、女の人の描き手がほとんどいないのって、ジャンルの問題もあるけど、体力が持たないんだ、って言ってた」
Y「じゃあ、いちご100%の人とかすごいんだ(笑)」
O「だから、高橋留美子って、ほんとにすごいよねえ、って」
Y「あれを何十年って」
O「そう。すごい」
(少し間)
O「あの業界もほんとに、まあ、実力本位ですっきりしてるといえばそうなんだけど、大変だなあ、と」
Y「そね」
O「話を聞いてて、とても私にはできないと思いました」
Y「週刊は」
O「やる気もなかったけど、漫画は」
Y「漫画ねー、週刊では描きたくないです」
O「うーん」
(少し間)
Y「でも細かい作業は好きなんですよ」
O「うんうん」
Y「トーン貼ったりとか」
O「食えれば、アニメーターとかよかったかも知れない、っていう感じですか?」
Y「ううーん……たぶんああいうのは趣味でやりたい」
O「あああ」
(少し間)
O「そいえばね、いとこが、一人、まじで一時期アニメーターやってたのね」
Y「ほお」
O「だけど、やっぱりね、体壊しちゃって、辞めて、今はね、ヘルパーさんやってる。もともとヘルパーさんとか、そういう仕事も好きなのね」
Y「うん」
O「で、まあでも、たぶん、アニメーターって、ずっと続けらんないから、若いうちだけでもちょっとやりたいって言って、とりあえずそっちになったのね。だからわりに、全然知らない人から見ると、すごく意外な転職かもしんないけど、知ってる人は、ああまあそうかもね、っていう感じ」
(間。食べている)
Y「ま、本人の中ではちゃんと筋が通ってるん、でしょうね」
O「うん。まあだから、昔からその人を知ってる、人からすれば、そんなに意外な転職ではない、っていう感じね」
Y「流れだけ聞くとちょっと意外な」
O「そうそうそう」
(少し間)
Y「やっぱ手に職あるのっていいなあ」
O「うーん。確かに強いけど。結局あれだよね、あのー、ほんとに好きなことがあって、それをやりたいからっていう感じで、そのー、職というか資格を身につけた人でないと、最終的には、やらないみたいね。見てると」
Y「ふん」
O「だから、いとこなんかも、そういうことがやっぱり好きで、やりたいから、ヘルパーの資格を取ったって言うんで、手に職っていう感じで取ったんじゃないから」
Y「ふん。そうですよねえ」
O「うん」
Y「妹とか見てると好きじゃなきゃやれないよなあって思います」
O「妹さんは、何、やってる?」
Y「あ、この春高校卒業して、ケーキ屋に就職したんですよ」
O「へえ」
Y「なんかあたしの周りに多いんですけど(笑)。なぜか」
O「ふーん」
Y「でー、たぶんあたしより相当過酷な労働条件」
O「うーん」
Y「朝が」
O「朝、早いっていうじゃんね、ああいうところってねえ」
Y「一応、まあ、あのー、さすがに四時とかそういうことはなくて、七時半出社なんですけど、終了がなんか、十時過ぎ、ぐらいだって」
O「おお」
Y「しかもそれ残業した結果とかじゃなくて」
O「ナチュラルにもう、その、時間なのね。うひゃー」
Y「労働基準法って何だろうっていう」
O「(笑)ほんと、そうだよね」
Y「ええ」
O「ふつーに考えると、そのまんまで行くと、ぜったい労働基準法では引っ掛かるはずなんだけど」
Y「こう、査察とか入ったらやばいような気がするんだけどなあ」
O「するんだけど、でも、あの業界って全部そうだからねえ(笑)」
Y「募集の段階でそうでしたから」
O「うん」
Y「ちょっと、ほんとにあんたそれでいいの?とか、訊いちゃったんですけど」
O「おお」
Y「本人はよかったみたいです」
O「へえー。やっぱ好きでなきゃできないと思うな、ケーキ屋とか。……絶対、女の子の憧れの職業十位には、絶対入ってるんだけどさケーキ屋って」
Y「あれはほんと大変」
O「大変だよねえ」
Y「うん、バイトですらあんなんだったから、本職なんてもっと」
O「(笑)」
Y「その点ではちょっと尊敬しちゃう」
O「うーん。……好きでないとできないよねえ」
(少し間)
Y「うちの会社もそういう面ありますけどねえ」
O「うん、まあ、そうだろうねえ。好きだから、できんだろうねえ」
(少し間)
Y「でも、何であれ、やってると楽しくなるみたいで」
O「ふんふん」
Y「友達があのー、水道用品売り場に行ったんですよ」
O「うん」
Y「あのー、中に入れるパッキンとか、そういう物扱ってるところ」
O「うんうん」
Y「最初は、もう、何が何だかわかんなくてつまんないとか言ってたのに」
O「うんうん」
Y「だんだん楽しくなる」
O「楽しくなってきた(笑)」
Y「すごいよ、水道奥深いよ、とか言うように(笑)」
O「うーん。そうだねえ」
(少し間)
O「Hって、買わなくても、なんか見て回ってるだけで楽しいからねえ(笑)」
Y「もう、毎日洗剤眺めてるうちにそれが幸せになってきた(笑)」
O「(笑)」
(ここで、Yの台詞聞き取れず)
O「うーん」
Y「使わないのに」
(少し間)
O「とりあえず、それほど環境おたくではないけど、まあ一応環境のことを考えて、石鹸で、あのー、洗濯してるけど」
Y「やっぱりあのー、炭酸、何たらとか、入れちゃったりするんで?」
O「うーんとね、特にそんな、凝ったことはしてなくてねえ、うん。普通の、粉石鹸で売ってるのあるじゃない洗濯用の」
Y「あのー、シャボン玉とかの」
O「そうそうそう。あれを、普通に使ってる。で、べつにさ、よく落ちが悪いとか言われるけどー、まあ……泥作業とかしないせいかもしんないけど、大して変わんないね」
Y「それならまあ。大丈夫みたい、ですよね」
O「そう、べつにね、それで問題ないんだよね、うん。あたしの場合は」
Y「うん」
O「家によって条件が違うから一概に言えないけどー、まあ子供がいて、すごい泥汚れが多いとかだとまた違うかもしんないけどねー」
Y「ちょっと難しいですね。そこは」
O「うん」
(少し間)
O「だから、それぞれでね。普通にオフィス労働してる人ばっかとかだったら関係ないと思うなあ」
Y「水洗いでもけっこう落ちますしね」
O「そうそうそう。だから、一応、洗濯物、石鹸でー、体洗うのも石鹸で、台所用も石鹸で、うちはだから洗剤ってないんだよね(笑)。全部、石鹸でやってる。それで特に問題ないから」
(少し間)
O「えー、もちろん、安いのしか買わないんですけど私は(笑)」
Y「あれは高いのは本当に高いから(笑)」
O「普通に、そう、普通にダイエーとかで安売りをしている(笑)」
Y「もう、これで? これでこれしかないの? っていうものも、けっこうあります」
O「うーん。だって、お金出せばきりないほど高いのあるよねえ。信じらんないくらい高いのが」
Y「ありますねえ。何だかよくわかんないけどすごい値段のが」
O「そうそうそうそうそう。ほんっとにこのお金を出しただけなんかいいことがあんのかなあ?って」
Y「気分だね、って、言われました」
O「あ、やっぱり(笑)」
Y「基本的にはそんなものすごい差はないんだって」
O「ほおー」
Y「ただあのー、成分が、より環境に負担が少ないとか、そういう違いかなって」
O「ふーん」
(少し間)
O「確かにな、石鹸とかも、高いもんで、値段もぴんきりだし」
(少し間)
Y「面白かったんですよ」
O「んん?」
Y「ワックスとかもけっこう」
O「ふーん」
Y「あでも、売らせてはもらえなかったんですよ、危ないから」
O「あ、そうなんだ」
Y「ちょっとー、あの、使ってはいけないワックスとかもあるんですよ床によって。やっぱり」
O「ああ、ううん、そうかそうか」
Y「であのー、さらにすごい条件設定が細かくて、基本的にこの床には使えるんだけど、入居したてで、こう、新しく塗り直したばっかりのところとかに塗ると大変なことになるとかいう、ええ、ワックス」
O「へえー、いろいろあるんだねえ」

―――――――――――

(少し間)
O「そうかあ。……そういう危険な物は、ちょっとー、売るの難しいよね」
Y「危ないから、必ず社員を呼んでねって」
O「うーん」
Y「それ、そんなん怖くて売れない」
O「(笑)」
(少し間)
O「そうだなあ。へえー、ワックスでそういう……。いや、床材によって違うっていうのは知ってたけど、そういう、ところまでは、ちょっと知らなかったなあ」
Y「なんか、表面だけコーティングするやつと、中に染み込むやつとか」
O「ああ、うん」
Y「染み込んじゃうやつは、けっこう、扱いが難しいとか、そんな話だったような」
O「ほおー」
Y「えと蜜蝋[みつろう]ワックスっていうのが、いろいろ難しいみたいです」
O「ああ。ほんとのあの、蜂蜜の巣、あっと蜂蜜っていうか、蜜蜂か、蜜蜂の巣から取ったやつね」
Y「なんか蜂の絵が描いてある、ちょっとエコロジーっぽいやつ」
O「そうそうエコロジーっぽいやつ。かすかに甘い匂いがする。よく蝋燭[ろうそく]に使ってるやつ」

―――――――――――

Y「あの、最初、白木かな、と思ってたら、実は普通の床、とかいうのも。あと逆もけっこうあって」
O「そうだよ、確かにそうするとワックスって難しいよね。だって物持って見れないんだもんねえ」
(少し間)
O「そうだよなあ。なんか肌に付ける物だったら、ちょっとそこでパッチテストとか、その場でできるけどねえ」
(少し間)
O「そうだなあ、それ考えると難しいわ確かに」

―――――――――――


〔ツリー構成〕

【1001】 弟切、テープ起こしの根っこ 2004/6/14(月)23:04 弟切 千隼 (79)
┣【1002】 弟切、現実の会話テープ起こし、その1 2004/6/14(月)23:12 弟切 千隼 (23329)
┣【1003】 弟切、テープ起こしその1の補完と編集、前編 2004/6/17(木)02:06 弟切 千隼 (10274)
┣【1005】 弟切、テープ起こしその1の補完と編集、中編 2004/6/21(月)00:54 弟切 千隼 (3262)
┣【1006】 弟切、テープ起こしその1の補完と編集、後編 2004/6/22(火)01:26 弟切 千隼 (6967)
┣【1014】 削除
┣【1087】 削除
┣【1089】 弟切、現実の会話テープ起こし、その2 2004/9/8(水)21:56 弟切 千隼 (14365)

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