前の画面〕 〔クリックポイント〕 〔最新の一覧〕 〔全て読んだことにする〕〔全て読んだことにして終了〕 〔終了

1006 弟切、テープ起こしその1の補完と編集、後編
2004/6/22(火)01:26 - 弟切 千隼 - 811 hit(s)

現在のパスワード


(間。食べている)
Y「友達で、気がついたら漫画家になってた子がいました」
O「おや」
Y「最初は、挿し絵、やることになったっていう連絡をもらったんですよ。スーパーダッシュ文庫かなんかの」
O「ほおほお」
Y「へー、すごいねーとか言ってたら、こないだ本屋で見かけた雑誌、漫画雑誌に、載ってました。あれ? どっかで見たような絵があるよなあ、と思ったら」
O「友達の作品だったわけね。へー。……あたしの友達でも、漫画家やってた子がいたのね。高校出て、専門学校行ってから。だけど、その子はやめちゃったね」
Y「けっこう業界きびしいんですか」
O「やっぱり、大変なんだって。友達が掲載してた雑誌がつぶれちゃったりしてねえ」
Y「よくある、話ですねえ」
O「ほんと、よくある話で……。女の子だとね、体力の問題もあるみたい。週刊連載なんて、体力が持たないんだって。週刊のジャンプとか、サンデーとか、ああいう雑誌に女の人の描き手がほとんどいないでしょ。あれって、ジャンルの問題もあるけど、体力が持たないせいらしいよ」
Y「じゃあ、『いちご100%』の作者さんとか、すごいんですね」
O「そうだよー。だから、高橋留美子って、ほんとにすごいんだよね」
Y「あの、週刊連載を、何十年ってやってますよね」
O「そう。すごいよ、あの人は。漫画業界は、実力本位ですっきりしてるけど、大変だわあ。話を聞いてて、とても私にはできないと思った。やる気もなかったけどね、漫画は」
Y「漫画はー、週刊では描きたくないです。……でも細かい作業は好きなんですよ。トーン貼ったりとか」
O「食えれば、アニメーターとかになってもよかった?」
Y「ううーん……ああいうのは趣味でやりたい、と思いますねえ」
O「ああ、そっか。……そういえばね、あたしのいとこが一人、アニメーターやってたのね」
Y「へえ」
O「だけど、やっぱりきつくて、体壊して、辞めちゃった。今は、ヘルパーさんやってる。もともとヘルパーさんとか、そういう仕事も好きなのね、そのいとこは」
Y「ふーん」
O「でも、アニメーターもやりたいって言って。アニメーターって、ちょっと、一生続けられそうもない仕事じゃない? だから、若いうちにやりたいって言って、とりあえずそっちになったのね。アニメーターからヘルパーって、すごく意外な転職なんだろうけど、そのいとこを知ってる人は、ああそうかもね、っていう感じ」
Y「本人の中では、ちゃんと筋が通ってるんでしょうね」
O「うん。昔からその人を知ってる人なら、意外じゃないね」
Y「流れだけ聞くと、意外ですけどね」
O「そうね」
Y「……やっぱ、手に職あるのっていいなあ」
O「うーん、確かに強いけどぉ……。まず手に職、じゃなくて、まず好きなことがあって、それをやりたいために、職、というか資格を身につけた人でないと、最終的には、やらないみたいね。あたしのいとこも、ヘルパーとか、そういうことが好きで、やりたいから資格を取ったんだって。何でもいいから手に職、じゃないんだよね」
Y「やっぱ、そうですよねえ。妹見てると、好きじゃなきゃやれないよなあって思います」
O「妹さんは、何やってるの?」
Y「あ、この春高校卒業して、ケーキ屋に就職したんですよ」
O「ほう」
Y「なぜか、あたしの周りに多いんですけど、ケーキ屋って。で、たぶん、あたしより相当過酷な労働条件です、妹は。特に朝なんて」
O「朝、早いっていうじゃんね、ああいうところって」
Y「まあ、さすがに四時とかそういうことはなくて、七時半出社なんですけど、終了が夜の十時過ぎ、ぐらいだって」
O「あれまあ」
Y「しかも、残業してそうなんじゃなくて」
O「ナチュラルにその時間なのね。うひゃー」
Y「労働基準法って何だろう? っていう状態です」
O「ほーんと、そうだよね。ふつーに考えると、ぜったい労働基準法で引っ掛かるはずなんだけど」
Y「査察とか入ったら、やばいような気がするんだけどなあ」
O「でも、あの業界って全部そうだからねえー」
Y「募集の段階でそうでしたから、妹は。『ほんとにあんたそれでいいの?』とか、訊いちゃったんですけど、本人はよかったみたいです」
O「やっぱ、好きでなきゃできないだろうねえ。ケーキ屋って、絶対、女の子の憧れの職業十位には入ってるんだけどさ」
Y「あれはほんと大変ですよー。バイトですらそうだったから、本職なんて、きっともっと……。その点では尊敬しちゃう」
O「だよねえ」
Y「まあ、うちの会社もそういう面ありますけど」
O「そうね。好きだから、できんだろうねえ」
Y「でも、何であれ、やってると楽しくなるみたいで……。友達が、水道用品売り場に行ったんですよ。水道管の中に入れるパッキンとか、そういう物扱ってるところに」
O「うんうん」
Y「最初は、何が何だかわかんなくてつまんないとか言ってたのに、だんだん楽しくなってきたらしくて。『すごいよ、水道奥深いよ』とか、言うようになりましたよお」
O「あー、そういうもんだよ。Hなんてさ、買わなくても、見て回ってるだけで楽しいじゃん」
Y「私、毎日売り場の洗剤眺めてるうちに、それが幸せになってきましたぁ」
O「あっはっは。あたしはさ、それほど環境おたくではないけど、一応、環境のことを考えて、石鹸で洗濯してる」
Y「炭酸何たらとか、そういう、補助になる物質入れたりします?」
O「そぉんな凝ったことはしてないよ。普通の、洗濯用に売ってる粉石鹸、あるじゃない? あれを使ってる。よく落ちが悪いとか言われるけど、そんなことないよ。まあ、泥作業とかしないせいかもしんないけど、変わんないね」
Y「なら、大丈夫みたい、ですね」
O「そう、問題ないんだよね。あたしの場合は。家によって条件が違うから、一概に言えないけど。子供がいて、すごく泥汚れが多い、とかだとまた違うかもねー」
Y「ちょっと難しいですね。そこは」
O「うん、それぞれだよね。オフィス労働してる人ばっかり、とかなら、関係ないと思うなあ」
Y「水洗いでもけっこう落ちますしね」
O「そうそう。うちの場合は、洗濯するの石鹸で、体洗うのも石鹸で、台所用も石鹸。だから、うちには合成洗剤がないの。もちろん、安いのしか買わないよ、私は」
Y「石鹸はー、高いのは本当に高いですからねえ」
O「普通に、ダイエーとかで安売りしてるのしか買わないよお」
Y「うちの店にも、ありますねえ。よくわかんないけど、すごい値段のが」
O「ほんっとに、このお金を出しただけなんかいいことがあんのかなあ? って思う」
Y「『気分だね』って、会社の人に言われました」
O「あ、やっぱり」
Y「基本的には、そんなものすごい差はないんですって。ただ、成分が、より環境に負担が少ないとか、そういう違いだそうです」
O「そーゆーもんかぁ」
Y「他にも、面白いのがあったんですよ。ワックスとか」
O「へえ、ワックスねえ」
Y「でも、売らせてはもらえなかったんですよ、危ないから」
O「ん? どういうこと?」
Y「あのー、床材によって、使ってはいけないワックスがあるんですよ。さらに、すごく条件設定が細かくて、基本的にこの床材には使えるんだけど、入居したてで、新しく塗り直したばっかりのところに塗ると大変なことになるっていう、ワックスもあるんです」
O「へえー、いろいろあるんだねえ」

―――――――――――

O「そういう危険な物は、売るの難しいよね」
Y「危ないから、必ず社員を呼んでねって、言われました。そんなん怖くて売れませんー」
O「わははー。ワックスでそういうのがあるなんて、知らなかったなあ。いや、床材によって違うっていうのは知ってたけど、そういうところまでは」
Y「なんか、表面だけコーティングするやつと、中に染み込むやつがあるんですって。染み込んじゃうやつは扱いが難しいとか、そんなような話でした」
O「ほおー」
Y「えっと、蜜蝋[みつろう]ワックスっていうのが、いろいろ難しいみたいです」
O「ああ。蜜蜂の巣から作るやつね」
Y「包みに蜂の絵が描いてある、エコロジーっぽい感じのです」
O「そうそう、そんなの。かすかに甘い匂いがして、よく蝋燭[ろうそく]に使ってるやつだよね」

―――――――――――

Y「床材の判断、難しいんですよ。最初、白木かな、と思ってたら、実は普通の床、とかいうのもありました。逆もけっこうあって」
O「そうかー、ワックスって難しいよね。だって、実物の床持ってくるわけにいかないもんねえ。例えば肌に付ける物だったら、ちょっとそこでパッチテストとか、その場でできるけどねえ」

―――――――――――


〔ツリー構成〕

【1001】 弟切、テープ起こしの根っこ 2004/6/14(月)23:04 弟切 千隼 (79)
┣【1002】 弟切、現実の会話テープ起こし、その1 2004/6/14(月)23:12 弟切 千隼 (23329)
┣【1003】 弟切、テープ起こしその1の補完と編集、前編 2004/6/17(木)02:06 弟切 千隼 (10274)
┣【1005】 弟切、テープ起こしその1の補完と編集、中編 2004/6/21(月)00:54 弟切 千隼 (3262)
┣【1006】 弟切、テープ起こしその1の補完と編集、後編 2004/6/22(火)01:26 弟切 千隼 (6967)
┣【1014】 削除
┣【1087】 削除
┣【1089】 弟切、現実の会話テープ起こし、その2 2004/9/8(水)21:56 弟切 千隼 (14365)

前の画面〕 〔クリックポイント〕 〔最新の一覧〕 〔全て読んだことにする〕〔全て読んだことにして終了〕 〔終了

※ 『クリックポイント』とは一覧上から読み始めた地点を指し、ツリー上の記事を巡回しても、その位置に戻ることができます.