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1173 1000字課題、12/17、No.3「捨て犬」 サカモト |
2004/12/17(金)19:07 - サカモト - 1974 hit(s)
題名:捨て犬
夕日が傾き、健太の足下から伸びる長い人型がアスファルトに張り付いている。人型の先では妹香苗が、座り込んでいた。彼女は段ボール箱の中の子犬をジッと見つめていた。
「うう、さぶ。ねぇ! 早く帰ろうって」
コートのえりを合わせながら声を掛けるが、目の前の妹はこっちを見ようともしない。
アスファルトの上にしゃがみながら、目の前の子犬だけを熱心に見続けていた。夕日に照らされた横顔は赤みがさし、目はキラキラと輝いていた。
「わんっ!」
鼻先が地面と直角になるくらい上に向け、香苗に向かって吠えるのが見えた。離れた場所からでも、香苗の顔が崩れるのが見える気がした。
両手を段ボール箱に突っ込み、犬をメチャメチャ撫でまくっている。短めのスカートから、時折ストライプ模様の何かが覗くのも、気にしていないようだった。
「たくっ。早く帰りたいんだけどなぁ」
しょうがなく、妹のトコロまで来た道を戻る。予想通り、香苗は満面の笑みを浮かべて、手を動かしていた。いつも自分に向けてくる仏頂面とは違う、妹の無邪気な笑顔を見て、顔の筋肉が自然とゆるむ。茶色の子犬も、それに応えるように元気よくはしゃぎ回った。
そして、香苗は子犬を段ボールから腕の中へと移し、立ち上がった。
さっきの笑顔から一転、切なそうな表情で健太を見上げる。夕日に照らされたソノ表情は、健太の心拍数を跳ね上がらせた。
「飼いたい」
「はぁ?」
「このコ、飼いたい」
「なに言ってってぇ……ダメダメダメ。お前、家のマンションがペット禁止だって知ってんだろ?」
健太の言葉にひるまず、香苗はジッと下から見上げてくる。口は一文字にキュッと結ばれていた。それは、家で香苗がたまに見せる、徹底抗戦の構えだった。
●一行あらすじ
兄弟一緒に下校しているとき、妹が捨て犬に夢中になる話し。
●注意点
・時系列順にする。時間逆行禁止。
・重文、複文禁止。
・倒置法禁止。
・体言止め禁止。
・気弱語禁止。比喩禁止。
・難しい字を使わない。
・4行以内に5W1Hを入れる。
所要時間:3時間
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