よみかく分室課題部屋

1294 re(1):白石さん　１０００字課題　「遅刻の理由」リライト２回目（１０９３字）

2005/7/6(水)16:03 - サカモト - 3007 hit(s)

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題名：「遅刻の理由」リライト　２回目

「ったく。鍋の一つも運べないの。あんた、勉強以外はホントにだめだね」　
　花子は、こぼれたみそ汁の片づけをしているはずの弟・太郎に声をかけた。朝食を食べるつもりだったのに何故私が作ってるのよ。という怒りが自然と声に乗っていた。
　目の前ではグツグツと音をたてて、鍋の中で具材が煮えている。今の自分みたいと思いながら、箸を使って乱暴に味噌を溶く。
「ごめん。つい、教科書読むのに、夢中になっちゃって」
　背後から申し訳なさそうな声が掛かる。
「ごめんじゃない。教科書なんかテストの時だけ読めば十分でしょ。それより、みそ汁一つ運べない方がヤバイから」
「だって。姉ちゃんが運ばせたんじゃん」
「へぇ～。誰のために私が作り直してやってると思ってるんだコラ」
　ふり返って太郎に箸を突きつける。絨毯を濡れ布巾で拭いていた太郎も、にらみ返してくる。つっと、太郎が先に目をそらした。
「悪かったよ」
「ふーん。それだけなんだ」
　腕を組み、太郎を見下ろしてやる。箸から垂れるみそ汁がセーラー服に付きそうで怖い。でも、少し良い気分だった。
　一度、反らした目を戻し、太郎がジッと見上げてくる。
「すいません。オレが悪かったです。学校に行く前に、姉ちゃんが作った旨いみそ汁食わして下さい」
「よろしい。もう、読みながらやっちゃだめだからね。じゃ、ソコの片づけはもういいから手え洗って食べて。遅刻するよ」
　煮立っていた自分の胸中が冷める。出来たばかりのみそ汁を、お椀によそって太郎に渡す。
「はい。熱いから気をつけてね」
「わかっ、う゛ぁ、あぢっ」
　お椀が中を舞い、先に太郎がこぼした場所に着地する。中身は、さっきついた絨毯のしみの上をブワッと広がった。
「あーーーーーーーーっ」
「え、と、ごめん」
「ばっか、やろおっ」
　投げつけた箸が太郎の体に当たって跳ね返る。時計を見る。片づけをすると、学校に間に合わない時間だ。
「ごめん。ほんっと、ごめん。片づけ、オレやっとくからさ。もう、学校いきなよ」
「あたりまえっ」
　付けていたエプロンも太郎に投げつけ、台所から出て行こうとする。胸の中は、さっき以上にグツグツと煮立っていた。
　最後に何か吐き捨ててやろうと思い、後ろをふり返る。太郎が黙々と布巾を使って、絨毯を拭いていた。胸の中は、まだ、煮えたぎっている。でも、足は自然との所へ戻っていた。片づけしている間中、太郎をいびり倒してやろうと心に決めた。
　さっき投げつけたエプロンに目がいく。太郎の脇に置いてあるエプロンは、大きなみそ汁のシミが付いていた。
「あたしの、ばかーーーーー」
　バカって感染する。全部太郎のせいだと思うことに花子は決めた。

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●一行コンセプト
ドジな弟を見捨てられずに、巻き込まれて学校に遅刻する姉
↓↓↓↓↓
ドジな弟を見捨てられずに、巻き込まれて自分までドジをする姉

●起承転結
起　ドジな弟を心配する姉
承　さらにドジを重ねる弟
転　弟を見捨てようと決心する姉
結　結局、戻り自分もミスしたことに気付く

●長めの起承転結
起　味噌の入った鍋をひっくり返して落ち込む弟。慰めながら料理を作る姉。
承　早く食べろとみそ汁を渡す姉。ソレを転んでこぼしてしまう弟。
転　キレる姉。謝る弟。弟を怒鳴りつけ出て行こうとする。
結　黙々と後始末をする弟を見て戻ろうとする。そして、自分もミスをしたことに気付く。

●禁止事項
・すべて時系列順。時間逆行、回想禁止。
・重文、複文禁止。
・長文禁止。（３１文字以上）
・倒置法禁止。
・体言止め禁止。
・難解な字禁止
・気弱語禁止。比喩禁止。
・紋切り表現禁止。
・説明的台詞禁止。
・４行以内に５Ｗ１Ｈを確定。
・指示語禁止。接続詞禁止。
・記号禁止。（……、――、！、？、ハートマーク等）
・キャラの注目していない物事を書かない。

●時間
一時間