よみかく分室課題部屋

1282 「お守りしますっ」１０００字課題　喜怒哀楽の喜編　６/２５　まこと

2005/6/25(土)16:36 - まこと - 3455 hit(s)

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「お守りしますっ」１０００字課題　喜怒哀楽の喜編　６/２５　まこと

　真紀は甥の光太郎と歩道を歩いていた。光太郎がスキップをはじめる。
「マキ、まんげつ、きれいだね」
「呼び捨てにしなぁい。お姉ちゃんって言いなさい」
　子ども相手にはきびしめの口調だった。強引に子守りを押し付けられたのだからむりもない。
　光太郎が小走りになった。ここいらの車道は夜になっても交通量が多い。じっとしていない男の子なので、目が離せなかった。子どものお守りは大変なのだ。お礼をはずんでもらわなければ合わない、と思った。
「オレ、コーヒーのアイスにしよっと。マキは？」
　コンビニのアイスを買ってもらえるのがよほど嬉しいのだろう。丸い瞳を真紀に向けてくる。
「コータロー、大きい声ださないの。近所の人に迷惑だよ、夜中にさわいじゃダメ」
　光太郎が口もとで指をばってんにして見せた。口はきかずに、大きくうなづく。そして真紀の周りをぴょんぴょん飛びはねた。
「ねぇ、オレ、えらい？　えらいよね」
　歩道を飛びはねながら歩いていく。えらい子なら、とっくに寝ている時間だと言ってやりたかった。けれど、言い合いをするのは面倒だった。
　姉夫婦は今ごろパーティーで楽しんでいるに違いない。お小遣いには、外出手当ても付け加えてもらうことにした。
　道を曲がり、アーケード街に入った。どの店もとっくに閉店している。ストリートパフォーマーが音楽を流していた。通路脇には、だぼだぼの服を着た少年たちがたむろしていた。
　この時間帯だと、珍しくはない光景だった。
「マキ！」
　光太郎が両手を広げて真紀を止めた。腕を引っぱられる。
「ここからは裏世界だからな。気をつけろよ」
　真紀は吹きだしそうになった。しかし光太郎は真顔だった。
「大丈夫。オレがついてる」
「コータロー……」
　光太郎が手を握ってくる。もちもちっとした手だった。ぐいっと引っぱられる。光太郎に手を引かれて歩きだした。
　弾き語りのお兄さんが、光太郎に声をかけた。キッとにらんで足を速める。そうしてときどき、真紀を振り返った。
「がんばれマキ、あとちょっとだぞ」
「ふふ、うん」
　光太郎の緊張した顔つきがおかしかった。この調子だと帰りは別の道を通ったほうがよさそうだなと思った。
　アーケード街を通り抜けた。コンビニが見えている。照明があかるかった。
　真紀と光太郎は顔を見合わせた。その顔はにっこりと笑っていた。

　２時間
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「一行コンセプト」
　いやいや甥の子守りをしていたが、やさしい言葉をかけられ気持ちが変わる少女の話

「構成メモ」
　はじめ主人公はうかない。子守りを押し付けられたと不満に思っている。
　主人公が不満げな様子を書いて印象付けたのち、甥っ子の言葉で、それが覆る。という構成。
　※主人公が嫌われないように注意。冒頭が暗くならないように。

「その他」
人物設定
　主人公　安西　真紀　まきちゃん　あたし　子どものあつかいには慣れていない
　甥っ子　笹野　光太郎　コータロー　オレ　大人の男のつもりでいる

（補足事項など）光太郎は真紀が好き
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・時系列順にする。時間逆行禁止。
・重文、複文禁止。
・倒置法禁止。
・体言止め禁止。
・気弱語禁止。比喩禁止。
・読点禁止。

　ただしセリフと、解除が必要な文へのみ使用可